カンペキ王子は、少々独占欲強めです。
7
「留学するんだね」
花乃が、まっすぐに陸を見つめて言った。
陸はほんの一瞬だけ視線を逸らしてから、小さく頷いた。
「そう。まあ、あの高校に入学する前から、決まってたんだけどね」
事もなげに言うその声には、どこか張り詰めたような硬さがあった。
「どこへ?」
「イギリス」
「いつまで?」
「……2年かな」
ぽつぽつと交わされる言葉たちが、まるで雨粒のように静かに落ちていく。
花乃はそのたび、胸の奥がじんわりと重くなるのを感じていた。
言いたいことはたくさんあるはずなのに、言葉にすると、どれも足りなく思えた。
それでも、目の前にいる陸は──やっぱり、少しだけ遠く感じた。
花乃が、まっすぐに陸を見つめて言った。
陸はほんの一瞬だけ視線を逸らしてから、小さく頷いた。
「そう。まあ、あの高校に入学する前から、決まってたんだけどね」
事もなげに言うその声には、どこか張り詰めたような硬さがあった。
「どこへ?」
「イギリス」
「いつまで?」
「……2年かな」
ぽつぽつと交わされる言葉たちが、まるで雨粒のように静かに落ちていく。
花乃はそのたび、胸の奥がじんわりと重くなるのを感じていた。
言いたいことはたくさんあるはずなのに、言葉にすると、どれも足りなく思えた。
それでも、目の前にいる陸は──やっぱり、少しだけ遠く感じた。