カンペキ王子は、少々独占欲強めです。

17

陸と連絡先を交換してから——

すぐにスマホが鳴った。

《今、何してた?》

そのあとも、少し時間を置いて、

《勉強わかる?また教えようか?》

《一朗にいって、かまいがいあるよな~》

テンポよく送られてくるメッセージに、
花乃は思わず笑ってしまった。

(……え、これって……)

顔が熱くなる。

まるで、恋人みたい。

いや、違う。まだ付き合ってるわけじゃない。
だけど、やりとりの端々から、彼の“好き”がにじみ出ている。

しかも、陸はあいかわらず優しいけれど、
その優しさが、前よりずっと近い。
明らかに、心の距離が変わっていた。

「……なんか、ずるい」

照れくさくて、思わず小さく呟く。

迷った末に、花乃はメッセージを返した。

《また、勉強……教えてほしい》

すごく普通の一文。だけど、彼に“会いたい”って伝えているような気がして、
送信ボタンを押す指が、ほんの少しだけ震えた。
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