カンペキ王子は、少々独占欲強めです。

20

花乃の家に向かう日。
陸は、今までのどんな試験よりも緊張していた。

「緊張してる?」と笑う花乃に、「当たり前だろ」と短く返す。
けれどその表情は硬く、手のひらにはうっすら汗も浮かんでいた。

――十年前の、あの日のことを思い出す。
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