カンペキ王子は、少々独占欲強めです。
25
「髪の毛、乾かしてあげる」
そう言って、陸がドライヤーを手に取る。
「ソファに座って?」と促され、花乃はぼんやりとしたまま従うように腰を下ろした。
ふわり、と柔らかい風が耳元をくすぐる。
熱すぎず、心地よい温度に調整された風は、湯上がりの火照った身体にやさしくて、自然とまぶたが落ちてくる。
陸は花乃の後ろに立ち、少し腰をかがめながら、丁寧に指先で髪を梳いていた。
しっとりとした髪をやさしくほどいて、ドライヤーを当てていく。
その仕草は驚くほど手慣れていて、思わず安心感が広がる。
だがふと、陸の視線がある一点で止まった。
花乃の浴衣の胸元が、無防備に少し緩んでいた。
わずかに覗く、ラベンダー色の下着。
乱れたわけではない。
ただ、動きの拍子に、ごく自然に、でも確かに視界に入ってしまったその柔らかな色に――
陸の手がわずかに止まる。
すぐに目を逸らそうとしたけれど、思わず息を呑む。
乾かす手つきも、ぎこちなくなってしまうほどに、胸が熱くなる。
(……ダメだって)
そう思いながらも、目の前の彼女があまりにも無防備で、やわらかくて。
触れてしまいそうな距離にあることが、陸の理性をぐらつかせていた。
そう言って、陸がドライヤーを手に取る。
「ソファに座って?」と促され、花乃はぼんやりとしたまま従うように腰を下ろした。
ふわり、と柔らかい風が耳元をくすぐる。
熱すぎず、心地よい温度に調整された風は、湯上がりの火照った身体にやさしくて、自然とまぶたが落ちてくる。
陸は花乃の後ろに立ち、少し腰をかがめながら、丁寧に指先で髪を梳いていた。
しっとりとした髪をやさしくほどいて、ドライヤーを当てていく。
その仕草は驚くほど手慣れていて、思わず安心感が広がる。
だがふと、陸の視線がある一点で止まった。
花乃の浴衣の胸元が、無防備に少し緩んでいた。
わずかに覗く、ラベンダー色の下着。
乱れたわけではない。
ただ、動きの拍子に、ごく自然に、でも確かに視界に入ってしまったその柔らかな色に――
陸の手がわずかに止まる。
すぐに目を逸らそうとしたけれど、思わず息を呑む。
乾かす手つきも、ぎこちなくなってしまうほどに、胸が熱くなる。
(……ダメだって)
そう思いながらも、目の前の彼女があまりにも無防備で、やわらかくて。
触れてしまいそうな距離にあることが、陸の理性をぐらつかせていた。