本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
プロローグ
庭園で、両親と妹のフィノラがティータイムを楽しんでいる。
リティスは、その様子を遠くから眺めていた。
屋外に出されたテーブルには白いテーブルクロス。その上に並べられているのは銀のティーセット。銀の皿には、甘い菓子やサンドイッチ等が盛り付けられている。
「お母様、フィノラねぇ……」
フィノラが母に声をかけると、母はにこにことしながらフィノラの頭を撫でた。
(……いいなあ)
リティスはそっと、その様子を見守る。
クッキーを取り上げた父が、それをフィノラの口へと運んだ。砂糖が縁につけられたディアマンだ。リティスの好物でもある。
(……食べたい!)
勇気を持って、リティスは一歩踏み出した。今日こそ、家族のティータイムに加わるのだ。
「お父様、お母様、私もご一緒していいですか?」
家庭教師は、マナーについて上出来だと誉めてくれた。ちゃんと笑顔も作れている。
大丈夫、今日はきっといいと言ってくれる。
期待に満ちたまなざしで、リティスは両親をみつめた。
なぜか両親はリティスに冷たい。でも、リティスがいい子にしていたらきっと――。
リティスは、その様子を遠くから眺めていた。
屋外に出されたテーブルには白いテーブルクロス。その上に並べられているのは銀のティーセット。銀の皿には、甘い菓子やサンドイッチ等が盛り付けられている。
「お母様、フィノラねぇ……」
フィノラが母に声をかけると、母はにこにことしながらフィノラの頭を撫でた。
(……いいなあ)
リティスはそっと、その様子を見守る。
クッキーを取り上げた父が、それをフィノラの口へと運んだ。砂糖が縁につけられたディアマンだ。リティスの好物でもある。
(……食べたい!)
勇気を持って、リティスは一歩踏み出した。今日こそ、家族のティータイムに加わるのだ。
「お父様、お母様、私もご一緒していいですか?」
家庭教師は、マナーについて上出来だと誉めてくれた。ちゃんと笑顔も作れている。
大丈夫、今日はきっといいと言ってくれる。
期待に満ちたまなざしで、リティスは両親をみつめた。
なぜか両親はリティスに冷たい。でも、リティスがいい子にしていたらきっと――。
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