本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
エピローグ
家族は、ばらばらになった。いや、元家族と言うべきだろうか。

 オセルティス伯爵家は、リティスが継ぐことになった。フィノラの悪事については何も知らなかったと証明された両親は、爵位をリティスに渡して、領地に押し込められることになった。

 時々、リティスに助けを求める手紙を送ってくるが、リティスはそれに返事を書くつもりはない。

 フィノラは、エデルとの婚約を解消することになった――婚約を解消させられたが正解か。

 奉仕活動に身を捧げているという話だが、文句ばかりだという噂も聞こえてくる。
 伯爵家ではたいそう甘やかされていた娘だ。奉仕活動の厳しさについていくのが難しいのだろう。

 そして、フィノラとの婚約を解消したエデルに、新しい婚約者が決まったという話は聞こえてこない。
 宰相府での仕事も、やめることになったと聞く。たしかに前宰相とのかかわりを考えれば、エデルに向けられる周囲の目はさぞ厳しいものになるだろう。

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