本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
第一章 婚約破棄と運命の出会い
(今日も、フィノラは出かけていくのね)
リティス・オセルティスは、図書室の窓から、ピンクのドレスを身に着けた妹がうきうきと出かけていくのを見送った。
屋敷の図書室で過ごす時間を好むリティスとは違い、フィノラは茶会等社交の場に出ていくのを好んでいる。
社交にはまったく興味がないので、フィノラがうまいことやってくれているのは、リティスとしてもありがたい。
(そんなことより、読書、読書!)
手にしていた本を棚に戻し、うきうきと壁の方に向かう。
花瓶にいけられた薔薇の花を描いた絵。その絵に手を触れて魔力を流すと、カチリ、とどこかで音がする。そして、絵の隣に立派な彫刻の施された扉が姿を見せた。
ためらうことなく、リティスはその扉を開いて中へと入る。
扉の向こう側は、広い部屋だった。窓はなく、四方の壁はすべて本棚となっている。
天井には光を発する魔道具が設置されており、本を読むのに最適な明るさが保たれている。
それからテーブルと、座り心地のよさそうなソファ。
リティス・オセルティスは、図書室の窓から、ピンクのドレスを身に着けた妹がうきうきと出かけていくのを見送った。
屋敷の図書室で過ごす時間を好むリティスとは違い、フィノラは茶会等社交の場に出ていくのを好んでいる。
社交にはまったく興味がないので、フィノラがうまいことやってくれているのは、リティスとしてもありがたい。
(そんなことより、読書、読書!)
手にしていた本を棚に戻し、うきうきと壁の方に向かう。
花瓶にいけられた薔薇の花を描いた絵。その絵に手を触れて魔力を流すと、カチリ、とどこかで音がする。そして、絵の隣に立派な彫刻の施された扉が姿を見せた。
ためらうことなく、リティスはその扉を開いて中へと入る。
扉の向こう側は、広い部屋だった。窓はなく、四方の壁はすべて本棚となっている。
天井には光を発する魔道具が設置されており、本を読むのに最適な明るさが保たれている。
それからテーブルと、座り心地のよさそうなソファ。