孤高の総帥は初めての恋に溺れる

婚約そして結婚へ

二人はマンションに帰ると直ぐにラッセル卿
の秘書兼執事のアーノルドから碧斗に電話が
かかってきた。

ジョナサンがミレーヌの事を報告した
ようだ。

ラッセル卿はひどく怒って、ウインダム家に
厳重な注意と取引関係のあるものは切り上げ
る旨通告したらしい。

多分明日ウィンダム卿が飛んでくるだろうと
アーノルドは言っていた。

ラッセル卿は今月末頃二人がロンドンに
来られる日に二人の婚約を発表するパーテイ
を開きたいと言っていると言う事だった。

アーノルドがラッセル卿が穂香と話したいと
言っているので、代わってもらいたいと
言われて碧斗は、穂香に

「爺さんが穂香と話したいらしい。代わって
もいいか？」

と聞いてきたので、“もちろん”とにっこりと
笑って碧斗と電話を変わった。

「こんにちわお爺様、体調はいかがですか
ちゃんとお食事なさってますか？」

「ああ、穂香の和食のレシピでシェフが
作ってくれるので健康的な食事を食べてるよ
でも、穂香が作ってくれた煮物が恋しいよ。
シェフは煮物はどうも不得意らしい」

そう言って、豪快に笑った。

「そうですか、家庭料理の味付けはその家々
で微妙に違うので難しいかもしれませんね。
また、そっちに行ったら作りますよ。
ロンドンでは手に入らない食材を持って
いきます。楽しみにしていて下さいね」

「そうか、それは楽しみだ。そうそう婚約
披露のパーテイに穂香のご家族も来て頂い
たらどうだろう。お休みが取れるようなら
観光もしてもらえるように手配するつもり
なのだ。本来なら儂が穂香のご家族にご挨拶
に行くべきなのに来てもらうのは申し訳ない
が聞いてみてくれるかね」