皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~

第7章 未来を決める日

そして運命の日。

王宮の大講堂には、私とマリアンヌ皇女、そして試験結果を見守る貴族たちが整然と並んでいた。

玉座には国王陛下と王妃様、そしてアレシオ殿下の姿も。

荘厳な空気の中、試験官の一人が前に立ち、一枚の書類を掲げる。

「それでは、公募の結果発表を行います。」

会場の空気が張り詰めたものへと変わった。

「これまで筆記試験、ダンス試験、執務試験、そして演説試験を行って参りましたが、最終的にはこれらを総合的に判断いたします。」

静まり返る中、試験官が一枚、書類をめくる。

「まずは、公爵令嬢セラフィーヌ様の評価です。」

私の心臓が跳ねる。

「ご令嬢は非常に聡明であり、筆記試験では優れた知識を披露されました。ダンスも気品に満ち、執務においても冷静かつ的確な判断をされております。」

言葉の一つ一つが胸に刺さる。

だが、それが選ばれる保証ではないことを、私は知っていた──。
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