蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜

第3話「初めての約束と、揺れる想い」




朝靄がまだ淡く庭園を包み込む中、セレナは静かに目を覚ました。
昨夜の温かな余韻が胸に残り、肌に触れる涼やかな空気に心地よさを覚える。

まだ眠るアグレイスの穏やかな寝顔をそっと見つめると、彼への想いが胸の奥で優しく波打った。


(彼のそばにいると、まるで世界が少しだけやわらかくなるみたい……)


けれど同時に、これまでとは違う責任感が重くのしかかる。
「王妃」としての立場。彼の「番妃」としての存在。これらすべてが、ふたりの絆を試すかのように感じられた。

けれど、今はまだ不安よりも、静かな幸福感のほうが勝っていた。


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