蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜
第6話「未来への扉と、新たなる旅立ち」
朝靄がゆっくりと晴れていく王宮の庭園。
朝陽が柔らかく大理石の柱を照らし、花々は露のきらめきを輝かせていた。
セレナは静かに目を覚ました。
昨夜の誓いの余韻が心にじんわりと残り、彼女の胸は深い安堵で満たされていた。
(ここまで来られた……でも、まだ旅は始まったばかり)
目の前に広がる未来に、期待と不安が入り混じる。
一歩ずつ、確かに歩んできた日々。
喜び、葛藤、迷い、そして成長。
すべてが彼女の心の糧となっている。
廊下を歩く足音が近づき、扉が静かに開いた。
アグレイスが穏やかな微笑みを浮かべて現れる。
「おはよう、セレナ。よく眠れたか?」
彼の瞳に映る朝の光が、優しく彼女を包み込む。
「ええ、あなたのおかげで。もう怖くないわ」
その言葉に、アグレイスはそっと手を伸ばし、彼女の手を包み込む。