結婚願望ゼロのエリート心臓外科医に勢いでプロポーズしたら、なぜか溺愛夫になりました
二度目のキス
「こ、ここで見るんですね」
高級感あふれる空間の中に足を踏み入れ、鈴菜はモゴモゴと呟いた。
ここは銀座エリア最大級の複合商業施設の一角、誰もが知るハイブランドの旗艦店だ。柔らかい光が天井から降り注ぎ、ディスプレイされたバックや服が主役のように照らされている。
「ああ、ここなら間違いない。兄からの受け売りだけどな」
足音さえ場違いな気がしてビクビクしている鈴菜に対し、悠磨は堂々とした様子だった。
バーから帰ってきた悠磨に突然抱きしめられたのは一週間前の夜。
シャツ越しに伝わる逞しい胸の弾力や少し高い体温。フレグランスなどではない悠磨自身の香りをダイレクトに感じ、鈴菜の心臓は壊れそうなほどに脈打った。
静かに混乱する鈴菜をしばらく胸に閉じ込めたあと、悠磨は『落ち着いたよ。悪かった』とあっさり解放し、バスルームに向かった。
飲みすぎたという彼を気遣うべきだったのかもしれないが、鈴菜は心拍数を落ち着かせながら後ろ姿を見送るのが精いっぱいだった。
高級感あふれる空間の中に足を踏み入れ、鈴菜はモゴモゴと呟いた。
ここは銀座エリア最大級の複合商業施設の一角、誰もが知るハイブランドの旗艦店だ。柔らかい光が天井から降り注ぎ、ディスプレイされたバックや服が主役のように照らされている。
「ああ、ここなら間違いない。兄からの受け売りだけどな」
足音さえ場違いな気がしてビクビクしている鈴菜に対し、悠磨は堂々とした様子だった。
バーから帰ってきた悠磨に突然抱きしめられたのは一週間前の夜。
シャツ越しに伝わる逞しい胸の弾力や少し高い体温。フレグランスなどではない悠磨自身の香りをダイレクトに感じ、鈴菜の心臓は壊れそうなほどに脈打った。
静かに混乱する鈴菜をしばらく胸に閉じ込めたあと、悠磨は『落ち着いたよ。悪かった』とあっさり解放し、バスルームに向かった。
飲みすぎたという彼を気遣うべきだったのかもしれないが、鈴菜は心拍数を落ち着かせながら後ろ姿を見送るのが精いっぱいだった。