魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
13.襲撃、奮闘――あわや事故!? -drop-
立ち上がって馬車前方に走り寄ると、私たちの目にも、広い範囲に張り巡らされた石壁が見えてくる。あれがおそらく今日の目的地である街、レーフェルのはずだ。
しかし、それが十分に見える位置に近づいた時、ルシドが喉を震わせ、緊迫感のある表情を浮かべて言った。
「魔物避けの結界が破られてる。それに……門も」
「「…………」」
無言で支え合いながら、私はテレサと噴き上がる砂塵の中に目を凝らす。すると確かに、巨大な鉄製の門が破壊されており、街の周囲から夥しい数の魔物が雪崩れ込もうとしているのが見えた。
「じゃ、じゃあ、街の人たちは……」
あまりの悲惨な状況に息をつめた私だったが、しかしルシドは目を凝らすと、それを否定した。
「いえ……まだ大丈夫です。なんとか門の近くで兵士たちが魔物を防ぎ留めている」
「……あっ、本当だわ。でも……」
しかし、それが十分に見える位置に近づいた時、ルシドが喉を震わせ、緊迫感のある表情を浮かべて言った。
「魔物避けの結界が破られてる。それに……門も」
「「…………」」
無言で支え合いながら、私はテレサと噴き上がる砂塵の中に目を凝らす。すると確かに、巨大な鉄製の門が破壊されており、街の周囲から夥しい数の魔物が雪崩れ込もうとしているのが見えた。
「じゃ、じゃあ、街の人たちは……」
あまりの悲惨な状況に息をつめた私だったが、しかしルシドは目を凝らすと、それを否定した。
「いえ……まだ大丈夫です。なんとか門の近くで兵士たちが魔物を防ぎ留めている」
「……あっ、本当だわ。でも……」