魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
13.クリム・イシュボア
イシュボア侯爵様のお屋敷に入るとすぐ、しばらくの間、長い回廊を歩かされることになった。
でも、私は全然退屈せずに周囲に目を向けていた……それはなぜか。
「わぁ……素敵なコレクション。しかも、みんな同じ画家の作品なんですね」
「あー……まあな」
ずらりと並んだ絵画たちが、回廊を飾り立てていたからだ。
女性もいれば、子どもの姿もある。ほとんどが人物画で、そのどれもが柔らかい笑顔で思い思いの方向を向いていた。
(なんだか、どこかで見たことがあったような……)
その作風にどこか懐かしいものを覚え、私は首を捻る。
絵画に書いてあるサインはすべて同一だったものの、くしゃっと潰れた字で名前も読み取れない。隣のスレイバート様にも尋ねてみたが、彼は「行きゃあ分かる」などといって詳しいことは教えてはくれなかった。
ゆったりと左右に目を向けながらパーティー会場の広間に行きつくと、オレンジ色の穏やかな明かりに照らされたテーブル群の奥に、山と人だかりができている。
でも、私は全然退屈せずに周囲に目を向けていた……それはなぜか。
「わぁ……素敵なコレクション。しかも、みんな同じ画家の作品なんですね」
「あー……まあな」
ずらりと並んだ絵画たちが、回廊を飾り立てていたからだ。
女性もいれば、子どもの姿もある。ほとんどが人物画で、そのどれもが柔らかい笑顔で思い思いの方向を向いていた。
(なんだか、どこかで見たことがあったような……)
その作風にどこか懐かしいものを覚え、私は首を捻る。
絵画に書いてあるサインはすべて同一だったものの、くしゃっと潰れた字で名前も読み取れない。隣のスレイバート様にも尋ねてみたが、彼は「行きゃあ分かる」などといって詳しいことは教えてはくれなかった。
ゆったりと左右に目を向けながらパーティー会場の広間に行きつくと、オレンジ色の穏やかな明かりに照らされたテーブル群の奥に、山と人だかりができている。