魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
3.魔法というもの -efforts-
花壇に植えられた花の中で、上手く成長できずにぐったりと茎を地面に垂らしているもの。
近くの草に栄養を奪われてしまったか、それとも悪い病気にでもかかってしまったか……。
そんな一輪を見つけ出すと、私はそれを両手で囲った。
細く息を吸い込み集中すると、テレサに与えられた魔力が癒しの光へと変換され、花に活力を与えていく。
すると瞬く間に、枯れていた葉っぱの部分はぷちりと落ちて新たな芽が伸び出し、花はぐんと頭を持ち上げ日光を浴び始める。
その結果に満足しながら、私はここ最近じかに魔法に触れることで思い出すようになった、厳格な家庭教師の講義を思い浮かべた。
(そういえば、口を酸っぱくして言われたっけ。魔法ってそんな簡単に使えるものじゃないんだって……)
魔法……それは至極便利で奇跡を起こせる万能な力――などと思われがちだが、実のところ、それは半分が正しく半分が間違っているという。
そう評されるのにはいくつか理由があって、まずひとつ……使用用途が限られていること。
単純に制御が難しいため、精密な作業には向いていないのである。
近くの草に栄養を奪われてしまったか、それとも悪い病気にでもかかってしまったか……。
そんな一輪を見つけ出すと、私はそれを両手で囲った。
細く息を吸い込み集中すると、テレサに与えられた魔力が癒しの光へと変換され、花に活力を与えていく。
すると瞬く間に、枯れていた葉っぱの部分はぷちりと落ちて新たな芽が伸び出し、花はぐんと頭を持ち上げ日光を浴び始める。
その結果に満足しながら、私はここ最近じかに魔法に触れることで思い出すようになった、厳格な家庭教師の講義を思い浮かべた。
(そういえば、口を酸っぱくして言われたっけ。魔法ってそんな簡単に使えるものじゃないんだって……)
魔法……それは至極便利で奇跡を起こせる万能な力――などと思われがちだが、実のところ、それは半分が正しく半分が間違っているという。
そう評されるのにはいくつか理由があって、まずひとつ……使用用途が限られていること。
単純に制御が難しいため、精密な作業には向いていないのである。