魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
22.同じ夢と、新たな夢 -siblings-
肩に荷物を載せて廊下を歩いていると、どこからともなくリズミカルな作業音や掛け声が響いてきて、城内が活気づいているのが分かる。本日も良好なペースで、リュドベルク城の修復作業は続いているみたいだ。
「うお~い、おっちゃんたち。木材はここにまとめて置いといていいか?」
「助かりますぜラルフ坊ちゃん。あとすみませんが、その荷物を南側のやつらに届けてやってもらえませんか? そこの荷車を使ってもらって構わねえんで」
「こんぐらい片手で楽勝だぜ。っし……」
「お、やるねぇ!」「さすが、城一番の力持ち!」
肩に担いでいた二本の丸太を地面に降ろすと、職人たちの口から喝采が上がる。
その後巨大な荷物袋をふたつ纏めて背負い上げると、おだててくれる彼らに少しの罪悪感を感じながら次の場所へ。
魔力を使って身体機能を増強できる魔法士は、案外こうした力仕事も向いている。しかし反面、手先の器用さがいる精密な作業にまでは、中々魔力も役に立たない。褒められるべきは、地道な歳月の努力によって熟練の技術を身に着けた、彼らのような職人の方であるべきだろう。
背中の荷袋からは、足を踏み出すたびにガラガラと騒がしい音が立つ。大方大工道具や、金属材料の類などがまとめられているのだろうなと思いながら、雑に扱わないように気を付けて、また次の目的地へ。
「うお~い、おっちゃんたち。木材はここにまとめて置いといていいか?」
「助かりますぜラルフ坊ちゃん。あとすみませんが、その荷物を南側のやつらに届けてやってもらえませんか? そこの荷車を使ってもらって構わねえんで」
「こんぐらい片手で楽勝だぜ。っし……」
「お、やるねぇ!」「さすが、城一番の力持ち!」
肩に担いでいた二本の丸太を地面に降ろすと、職人たちの口から喝采が上がる。
その後巨大な荷物袋をふたつ纏めて背負い上げると、おだててくれる彼らに少しの罪悪感を感じながら次の場所へ。
魔力を使って身体機能を増強できる魔法士は、案外こうした力仕事も向いている。しかし反面、手先の器用さがいる精密な作業にまでは、中々魔力も役に立たない。褒められるべきは、地道な歳月の努力によって熟練の技術を身に着けた、彼らのような職人の方であるべきだろう。
背中の荷袋からは、足を踏み出すたびにガラガラと騒がしい音が立つ。大方大工道具や、金属材料の類などがまとめられているのだろうなと思いながら、雑に扱わないように気を付けて、また次の目的地へ。