魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
9.目覚め -hidden-
「ふう、着いたぜ。ほら、手ぇ離せ」
予想外なことに、目的地はずいぶんと小さな村だった。
馬を中に乗り入れると、颯爽と飛び降りたスレイバート様は腕を伸ばし、鞍の上でまごついた私の手助けをしてくれる。
「は、はい……わわっ!」
しかし、初めて馬の乗った疲れもあってか、跨っていた足を降ろそうとしたところで手が滑り、後ろ向きに倒れ込んだ。
「っと。気をつけろつったろ」
「あ、ありがとうございます」
幸い、それは後ろにいたスレイバート様が抱き留めてくれ、私はゆっくりと地面に下ろしてもらう。ぞんざいな言葉遣いとは裏腹に、こういう女性に対する扱いがとても丁寧なのは、さすが公爵様ご当人といったところか。
「なんだよ」
「や、優しくしてもらえて嬉しいなぁ、と」
「は……一緒に寝んならもっと優しくしてやるが?」
「――――!」
予想外なことに、目的地はずいぶんと小さな村だった。
馬を中に乗り入れると、颯爽と飛び降りたスレイバート様は腕を伸ばし、鞍の上でまごついた私の手助けをしてくれる。
「は、はい……わわっ!」
しかし、初めて馬の乗った疲れもあってか、跨っていた足を降ろそうとしたところで手が滑り、後ろ向きに倒れ込んだ。
「っと。気をつけろつったろ」
「あ、ありがとうございます」
幸い、それは後ろにいたスレイバート様が抱き留めてくれ、私はゆっくりと地面に下ろしてもらう。ぞんざいな言葉遣いとは裏腹に、こういう女性に対する扱いがとても丁寧なのは、さすが公爵様ご当人といったところか。
「なんだよ」
「や、優しくしてもらえて嬉しいなぁ、と」
「は……一緒に寝んならもっと優しくしてやるが?」
「――――!」