魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
10.公爵様のご褒美 -change-
「――しかし、まさかシルウィーが、瘴気を吸収できる特異体質の持ち主だったとはな」
近隣の村の瘴気を取り払った数日後。
ボースウィン城の内部の大食堂にて、私はスレイバート様たちと食事をとっていた。
城内に人がほとんどいないせいで閑散とした有様だが、それでもここに集った人たちの顔は明るい。
「本当に素晴らしいことですわ! さすがはシルウィーお姉様、賢者と呼ばれた方の血筋にふさわしい能力です!」
「そんなこともあるんですね……。魔法ではなく、シルウィー様固有の能力ですか。驚きました、まさかそんなことを可能な方がいるなんて……」
興奮気味に目を輝かせるテレサと、深く頷くルシド。彼らの賞賛に、私の目はつい泳いでしまう。
今は公家専用の食堂は使えないどころか、シェフの手すら足りていない。なので実は目の前に並ぶ数々の料理は隣に座る公爵令嬢の手が入っており、私も少しだけ下ごしらえを手伝ったというある意味で貴重な一品。
「まあ、そう頻繁に使えるものかどうかはまだ分かんねーが、今のボースウィン領にとっては喉から手が出るほど欲しかった人材だ。あらためて歓迎するぜ。シルウィー」
近隣の村の瘴気を取り払った数日後。
ボースウィン城の内部の大食堂にて、私はスレイバート様たちと食事をとっていた。
城内に人がほとんどいないせいで閑散とした有様だが、それでもここに集った人たちの顔は明るい。
「本当に素晴らしいことですわ! さすがはシルウィーお姉様、賢者と呼ばれた方の血筋にふさわしい能力です!」
「そんなこともあるんですね……。魔法ではなく、シルウィー様固有の能力ですか。驚きました、まさかそんなことを可能な方がいるなんて……」
興奮気味に目を輝かせるテレサと、深く頷くルシド。彼らの賞賛に、私の目はつい泳いでしまう。
今は公家専用の食堂は使えないどころか、シェフの手すら足りていない。なので実は目の前に並ぶ数々の料理は隣に座る公爵令嬢の手が入っており、私も少しだけ下ごしらえを手伝ったというある意味で貴重な一品。
「まあ、そう頻繁に使えるものかどうかはまだ分かんねーが、今のボースウィン領にとっては喉から手が出るほど欲しかった人材だ。あらためて歓迎するぜ。シルウィー」