一途な陸上自衛官は、運命が引き寄せた恋を守り抜く〜秘密の双子ごと愛されています〜
9、何度も巡り合う


「いくぞっ、カブトレッド! ちょうこんちゅうへんしん!」


 ベッドの上で飛び回り、音の出るおもちゃで変身ポーズをとる。

 その直後、ベッドサイドに勢いよく飛び降りた。


「あぁ! きちつくってたのにぃー! ママー、こわれたー」


 ふたりの様子を横目に手早くメイクをしていたところ、普段通り問題勃発で中断させられる。

 怒涛の妊娠発覚から早四年。

 私は無事、双子の男の子を出産した。

 母と姉に別れた勇信さんとの子を授かったと打ち明け、それからすぐに会社には休職届を出した。

 安定期に入る前には東京の住まいを引き払い、実家へと帰って来た。

 そこからは家族の支えもあり、実家で穏やかなマタニティライフを送った。

 幸いひどいつわりもなく、定期検診でも毎回異常なし。体調が安定していたお陰で、妊娠後期に入るまでは家事も進んで行えたのが幸いだった。

 妊娠二十週に入った頃の妊婦検診で、双子はどちらも男の子だと判明。ここからは二週間おきに検診に通うようになり、三十週からは毎週の検診になった。

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