一途な陸上自衛官は、運命が引き寄せた恋を守り抜く〜秘密の双子ごと愛されています〜
2、再会はゲリラ豪雨で


 寒いと感じて目が覚めてきて、無意識のうちに枕の周辺を手探りする。

 オフタイマーを入れたはずなのに、どうして切れていないのだろう。もしかして、ちゃんと設定できていなかった?

 タオルケットを引っ張り上げながらあれこれ考える。

 スマートフォンと間違えながらもエアコンのリモコンにたどり着き、停止ボタンを連打した。

 八月初旬。

 東京は例年よりも厳しい猛暑で、八月に入ってからは熱帯夜が続く。

 昨夜も仕事後帰宅したひとり暮らしの部屋は猛烈な熱気がこもっていて、すぐにエアコンをオンにした。

 深夜になっても建物が昼の暑さで熱を蓄えているのか部屋はエアコンを切ると過ごしにくく、それでも朝方になればエアコンで寒いと感じるため、毎晩丑三つ時過ぎにはタイマーでオフになるよう設定して眠りにつくようにしている。

 けれど、たまにこうして設定ミスを犯して寒いと目覚めるのだ。

 リモコンを置いた手でスマートフォンを取り、確認した時刻は五時半を少し回ったところ。

 平日は六時半に起床して支度をし、八時前に家を出て職場に向かう。

 エアコンの設定ミスで早起きになったけれど、ゆとりのある朝の時間が送れると切り替えてベッドから起き上がる。

 カーテンの向こうは明るい。今日もうだるような暑い一日になりそうだ。

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