一途な陸上自衛官は、運命が引き寄せた恋を守り抜く〜秘密の双子ごと愛されています〜
Side Yuushin
「パパー、みてて! りく、ごびょう、かおつけできるようになったから!」
バズタブの中に浸かる陸が「いくよー!」と大きく息を吸い込んで顔をつける。
「一、二、三、四、五、六、七。おっ、すごい、七秒顔付けできたな」
「やったー!」
俺に頭を洗ってもらっている海が、「すごーい!」と陸を褒めた。
この家で家族揃っての新生活が始まって、早一週間。
引越しの日、パパだとカミングアウトして受け入れてもらい、ふたりとは毎日少しずつ関係を構築している。
日毎、積極的に『パパ』と近づいて関わってくれる時間も増え、今日は初めて三人でお風呂に入っている。
一卵性双生児で顔がそっくりとはいえ、ふたりはそれぞれ個性がある。
陸はとにかく活発で典型的な男の子。やんちゃだけど、希穂にべったりで甘えん坊の一面がかわいい。
海は好奇心旺盛で物分かりが良く、この歳にしては落ち着いているように感じる。やんちゃな陸とやりあって泣かされるほうだ。
「よし、海も一回入ろう」
陸の入るバスタブに海を入れ、あとから湯に浸かる。
「わぁぁ! パパがはいると、おふろがザバーンでなるよー!」
バスタブの湯が大きく揺れてふたりにかかり、陸が楽しそうに「おおなみだー!」と大声を出す。