一途な陸上自衛官は、運命が引き寄せた恋を守り抜く〜秘密の双子ごと愛されています〜
5、楽しいひととき


 十月に入ると、長袖の服を着る日がほぼ毎日になる。

 今日は、からし色のロゴカットソーにグレーのタックワイドパンツ、スニーカーというカジュアルコーディネートで家を出た。

 今週のはじめ、突如砂羽さんからメッセージが入ってきた。

 一緒に食事をしてから約半月ほど。その間、特に私たちの間にやり取りはなかった。

 ちょうどお昼休みに受信したメッセージは、こんにちはという挨拶から始まり【今週末、土曜日はお仕事ですか?】と予定を伺う簡潔な内容だった。

 特に週末に予定はなく、いつも通りのんびり過ごそうと思っていたくらいで、特に予定はありませんと返信をした。

 その後すぐに返ってきたメッセージには、半月ほど前に食事をご馳走になった際に出た話題が書かれていた。


【前回お会いしたときに話した後輩の件です。次の土曜日に全員の都合がつくので、冴島さんの予定が埋まってなければぜひ同行してもらえませんか?】


 話には聞いていたけれど、詳細の予定が決まっていたわけではなかったようだし、実現するかもあのときはまだぼんやりしている雰囲気だった。

 いざ本当に都合を伺う連絡がきて、驚いて何度も短いメッセージを読み返す動揺っぷり。

 すぐに【大丈夫です、わかりました!】と返信をして、即レスしすぎな自分にまた〝やってしまった……〟と反省した。

 それでも、砂羽さんからは感謝の返信がきて、後日改めて詳細を知らせると少しぶりのメッセージのやり取りを終えた。

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