推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
二章 推し活スポンサー
オレリアンside
一方、オレリアンはというと──。
時を遡ること一日前。
オレリアンは去っていくミシュリーヌの背中を見送りながら額を押さえる。
俯きつつも自分の愚かさについて考え込んでいた。
執事や侍女、従者たちも心配そうにこちらを見ているのがわかったが、今は理由を説明できそうになかった。
これは『間違えた婚約』だ。
いや、正しくは『オレリアンが大きな間違いを犯した』婚約だった。
(……ミシュリーヌ嬢には本当に申し訳ないことをしてしまった)
こうなったきっかけは、珍しく第一騎士団団長のアントニオとレダー公爵邸にいた時のことだ。
たまには息抜きが必要だからどうしても、と言われて仕方なくアントニオを招いた。
彼の目的は他にあることはわかっていた。
本当は公爵夫人に『酒の飲み過ぎ』だと言われて監視されていたそうだ。
しかしアントニオは飲めなくなったことに限界を感じていた。
久しぶりにオレリアンとレダー公爵邸で食事の約束をしていると言うと、やっと許可がおりたらしい。
そんな彼は手にワインの瓶を大量に持っている。
『いやぁ……助かった。さすがオレリアンだな、信用が違う! 今日は浴びるほど飲むぞっ』
『アントニオ団長、あまり飲みすぎない方が……』
『固いことは言うな! それに今日はオフだ。団長と呼ぶ必要はない。久しぶりに飲む酒はうんまいぞぉ!』
一方、オレリアンはというと──。
時を遡ること一日前。
オレリアンは去っていくミシュリーヌの背中を見送りながら額を押さえる。
俯きつつも自分の愚かさについて考え込んでいた。
執事や侍女、従者たちも心配そうにこちらを見ているのがわかったが、今は理由を説明できそうになかった。
これは『間違えた婚約』だ。
いや、正しくは『オレリアンが大きな間違いを犯した』婚約だった。
(……ミシュリーヌ嬢には本当に申し訳ないことをしてしまった)
こうなったきっかけは、珍しく第一騎士団団長のアントニオとレダー公爵邸にいた時のことだ。
たまには息抜きが必要だからどうしても、と言われて仕方なくアントニオを招いた。
彼の目的は他にあることはわかっていた。
本当は公爵夫人に『酒の飲み過ぎ』だと言われて監視されていたそうだ。
しかしアントニオは飲めなくなったことに限界を感じていた。
久しぶりにオレリアンとレダー公爵邸で食事の約束をしていると言うと、やっと許可がおりたらしい。
そんな彼は手にワインの瓶を大量に持っている。
『いやぁ……助かった。さすがオレリアンだな、信用が違う! 今日は浴びるほど飲むぞっ』
『アントニオ団長、あまり飲みすぎない方が……』
『固いことは言うな! それに今日はオフだ。団長と呼ぶ必要はない。久しぶりに飲む酒はうんまいぞぉ!』