初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
01 初恋の人との再会
「な、なんで蒼士くんがここに……」
今日からお世話になる大手広告会社『白桃社』の企画・編集フロアの端っこで、私――藤木綾音は、目の前に立つ男性の顔を見上げて絶句した。
今日から私の先輩になるという男性の顔には見覚えがある。見覚えがあるどころか、よく見知った人物だった。
「あれ、もしかして仲真くんと知り合いだったりする?」
「えっと、まぁ、はい……」
企画・編集部の部長である笹崎さんに尋ねられて、私はこくこくと首を振って頷く。
すると部長は、それなら話が早いと笑って、蒼士くんの肩を叩いた。
「そっか、知り合いなら安心だ。今日から、彼の下で仕事をしてもらうことになるからよろしくね。何か困ったことがあったら、まずは仲真くんに相談して」
それにしても偶然知っている人が入社してくるなんてあるんだねぇ、と朗らかに部長が言って、上機嫌で自分の席へと戻っていく。
残された私たちは、顔を見合わせるなりパッと視線を逸らした。
――なんで、よりにもよって初恋の人がここに……。
想像もしていなかった初恋の人との再会に、私はここが職場であることを忘れて、深い溜め息をつきそうになる。
今日からお世話になる大手広告会社『白桃社』の企画・編集フロアの端っこで、私――藤木綾音は、目の前に立つ男性の顔を見上げて絶句した。
今日から私の先輩になるという男性の顔には見覚えがある。見覚えがあるどころか、よく見知った人物だった。
「あれ、もしかして仲真くんと知り合いだったりする?」
「えっと、まぁ、はい……」
企画・編集部の部長である笹崎さんに尋ねられて、私はこくこくと首を振って頷く。
すると部長は、それなら話が早いと笑って、蒼士くんの肩を叩いた。
「そっか、知り合いなら安心だ。今日から、彼の下で仕事をしてもらうことになるからよろしくね。何か困ったことがあったら、まずは仲真くんに相談して」
それにしても偶然知っている人が入社してくるなんてあるんだねぇ、と朗らかに部長が言って、上機嫌で自分の席へと戻っていく。
残された私たちは、顔を見合わせるなりパッと視線を逸らした。
――なんで、よりにもよって初恋の人がここに……。
想像もしていなかった初恋の人との再会に、私はここが職場であることを忘れて、深い溜め息をつきそうになる。
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