初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
02 彼からのエール
 衝撃の再会から一夜明けた今日、私は早速野村リーダーから仕事を任せたいと小会議室に呼び出されていた。
 だけど、私の隣には蒼士くんも座っている。
 今回、共同でプランニングをしてほしいとのことで、私と彼がタッグを組むことになっていた。

「はじめまして、野村です。昨日はレクチャーの時間を取れなくてすみませんでした」
「いえ……。とてもお忙しいと伺っていたので、気にしないでください」

 私の目の前に座る野村リーダーは、昨日お会いした笹崎部長と違って随分とクールそうな男性だ。
 笹崎部長はおっとりとした雰囲気の優しそうなおじさんだったけれど、野村さんは部長よりも若く、きりっとした印象がある。
 決して怖い人ではないだろうけれど、厳しそうな人だろうなと思って身構えていると、蒼士くんがプッと吹き出した。

「もう、野村さん。そんなにかしこまらなくてもいいですよ」
「そう? いやー、この春からリーダーになったばかりだからさぁ。ちゃんとしないと、って思っちゃって」

 先ほどの冷たさはどこへやら、蒼士くんの一言で一気に野村さんの表情が崩れる。
 聞けばこの春からリーダーになったばかりだそうで、リーダーらしくあろうと振舞っているのだとか。
 野村さんは恥ずかしそうに咳払いすると、取り繕うのはやめたのか、フランクな口調で話し始めた。

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