初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
10.恋の告白ととまどうシェリア
デュランダルに好きだと言われた。

そんなの……ありえない。

わたしをどうして好きになる人なんているというの?
信じていた婚約者も結局わたしじゃなく妹を好きだった。そして殺そうとまでされて最悪な形で裏切られた。
そんな価値のないわたしだ。

自分なりにがんばってオルベリア王国を再建させた。実際再建したしそのやり方は間違っているとは思わない。
だけど、再建さえ終わればわたしなどいらなかったのだ。
そんな愛されないわたしだ。

小さいころから母はおらず、父はわたしがいくら努力しても当たり前としか思ってくれなかった。

わたしは人に愛されたことがない。

そんなわたしを、まさか陛下が好きになるなんて、おかしい。

嘘に決まってる。

陛下みたいな優しい人がわたしを好きになるわけないのだ。

何かの間違いだ。

絶対……
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