初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
3.仕事開始
次の日は早く起きてメリッサという専属としてつけてもらった侍女に支度をしてもらった。
沢山あるドレスはどれも形が古く、どうやらデュランダルの母君のものらしい。
今日の午後に仕立て屋を呼んで早急に作らせますからと言われ、とりあえずそのドレスで間に合わせた。

早々に部屋で朝ごはんを食べて執務室に顔を出した。

「おはようございます」

執務室に入ると、デュランダルはすでに机に座り山のような書類を処理している。
長いことナダルへ行っていなかったから仕事が溜まっているのだろう。

そしてその向かいとなりにはひとりの茶色い髪の男性が座って一緒に仕事を処理していた。

「ああ、来たか。今日から俺の秘書として入ってもらう。ディアンだ。ラインハルト。ディアンに仕事の説明をしてくれ」

「はっ」

男性が顔をあげる。
文官によくいるタイプの真面目そうな顔だちだ。
そのままおもむろに立ち上がり、深く礼をとった。
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