初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
5.ユーリーン王に挑む
真冬になった。

雪の量がすごくてシェリアは毎日驚いている。

オルベリアでは雪が積もることは稀で、年に一度くらいうっすらと平地にも白い絨毯がかかるくらいのものだ。
だがここは毎日人の背を超えるほどの雪が積もり、王城は魔力装置があって常に雪かきが自動で行われていたが、市井では魔道具で人々は雪かきを行う。
先日またデュランダルと市井に出たがそのとき、こんなに雪深い地域でも文明を維持できるのは本当に魔力のおかげだとひしひしと感じた。

今日も王城の中は魔力装置のおかげで暖かく過ごしながらの朝の執務中のことだ。

ギルティの部下が調査から戻ってきた。

「ダンテ子爵についてとんでもないことがわかりました」

農夫としてダンテ子爵領に紛れ込んでいたその調査官は人払いを頼んだうえで説明をはじめた。

部屋にはデュランダル以下、いつもの主要メンバー、ラインハルト、メルディス、ギルディ、そしてシェリアしかいない。

「なんだ。申せ」
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