あなたの家族になりたい
02.俺よりペンギンのぬいぐるみのほうが、たぶん優しい
見合いから数日後、市場からの帰りに車を運転してていた親父が「そういえば」と口を開いた。
「澪ちゃんと仲良くしてるか?」
「みお……? 誰だっけ」
「お前ってやつは……。こないだ見合いしただろうが!」
「あー……忘れてた」
「ふざけんなよ……」
本当に忘れてた。帰りに写真を送ってそれきり、ほったらかしていた。
「連絡って何すりゃいいんだ?」
「今までの彼女とかには何送ってたんだ?」
「彼女いたことねえし」
付き合いのある女はいたけど彼女じゃねえ。互いにただの性欲処理……親に言えるわけねえし。
「つーかさ、あのうるせえ母ちゃんから逃がすのはいいけど、なんかすんの? 俺、なんかさせられんの?」
「うちで預かるって言っただろ。来月頭からな」
「聞いてねえ」
「今言った」
ほんとに適当だな、この親父は!
「近いうちに澪ちゃんのもんでも、一緒に揃えに行け。皿とか箸とか」
「へいへい」
まあ、荷物持ちくらいなら全然いいけどな。
スマホを取り出して、相手にメッセージを送る。
送ったあと、まだ朝の四時だったことに気づいた。
「澪ちゃんと仲良くしてるか?」
「みお……? 誰だっけ」
「お前ってやつは……。こないだ見合いしただろうが!」
「あー……忘れてた」
「ふざけんなよ……」
本当に忘れてた。帰りに写真を送ってそれきり、ほったらかしていた。
「連絡って何すりゃいいんだ?」
「今までの彼女とかには何送ってたんだ?」
「彼女いたことねえし」
付き合いのある女はいたけど彼女じゃねえ。互いにただの性欲処理……親に言えるわけねえし。
「つーかさ、あのうるせえ母ちゃんから逃がすのはいいけど、なんかすんの? 俺、なんかさせられんの?」
「うちで預かるって言っただろ。来月頭からな」
「聞いてねえ」
「今言った」
ほんとに適当だな、この親父は!
「近いうちに澪ちゃんのもんでも、一緒に揃えに行け。皿とか箸とか」
「へいへい」
まあ、荷物持ちくらいなら全然いいけどな。
スマホを取り出して、相手にメッセージを送る。
送ったあと、まだ朝の四時だったことに気づいた。