落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
30 真の聖女覚醒
神殿の礼拝堂に大聖女様と、神官長様や神官達が並んでいる。私は彼らと対面するように一人立たされていた。
「見習い聖女アイリス、貴方は真の聖女として覚醒しました。これを以て貴方を次期大聖女とし、私は貴方の補佐に回ります」
「えっ!? 私が大聖女!? 大聖女様が補佐って!?」
大聖女様の言葉に混乱して、大きな声を出してしまった。私は慌てて口を両手で塞ぐ。
「も、申し訳ありません……」
「では私から説明しましょう」
神官長様が一歩前に出た。白髪混じりで齢は五十くらいの神官長様は、普段はあまりお会いすることはない。神官長様は穏やかな口調で話し始める。
「貴方が混乱するのも無理はありません。彼女は元々、大聖女代理なのです。先代も先々代も皆代理でした。前回真の聖女が大聖女を引退した百八十年前から、大聖女は代理で繋いできたのです。真の聖女が誕生した際には補佐の役目を担う為に」
「大聖女様が代理……?」
私が驚いて大聖女様を見ると、彼女は静かに頷く。
「真の聖女とは神聖魔法を持ち、その能力を覚醒させた者のことで、身体の何処かに紋章が現れるといいます」
紋章……? 確かにあの時、手の甲に模様が現れたよね……。
私は左手の甲を見るが、今は紋章はなかった。
「聖女の中でも千人に一人とも言われています。真の聖女は魔物の傷を完治させるだけでなく、魔物の脅威からも護ると伝承されています。パエンドールの女神と呼ばれる初代大聖女様と同じ能力なのです……」
初代大聖女様と同じ……!?
「私達は皆待っていた! 真の聖女の誕生を!」
神官長様が声を張り上げると、一斉に神官達が泣き始める。
「パエンドールの女神様が降臨されたのだ……」
「あ、あぁ、奇跡だ……」
「今の時代に生まれて良かった……」
恍惚とした表情で皆に見られ鳥肌が立った。
こ、怖いんですけど……。なんかすごい期待されているし……。
「見習い聖女アイリス、貴方は真の聖女として覚醒しました。これを以て貴方を次期大聖女とし、私は貴方の補佐に回ります」
「えっ!? 私が大聖女!? 大聖女様が補佐って!?」
大聖女様の言葉に混乱して、大きな声を出してしまった。私は慌てて口を両手で塞ぐ。
「も、申し訳ありません……」
「では私から説明しましょう」
神官長様が一歩前に出た。白髪混じりで齢は五十くらいの神官長様は、普段はあまりお会いすることはない。神官長様は穏やかな口調で話し始める。
「貴方が混乱するのも無理はありません。彼女は元々、大聖女代理なのです。先代も先々代も皆代理でした。前回真の聖女が大聖女を引退した百八十年前から、大聖女は代理で繋いできたのです。真の聖女が誕生した際には補佐の役目を担う為に」
「大聖女様が代理……?」
私が驚いて大聖女様を見ると、彼女は静かに頷く。
「真の聖女とは神聖魔法を持ち、その能力を覚醒させた者のことで、身体の何処かに紋章が現れるといいます」
紋章……? 確かにあの時、手の甲に模様が現れたよね……。
私は左手の甲を見るが、今は紋章はなかった。
「聖女の中でも千人に一人とも言われています。真の聖女は魔物の傷を完治させるだけでなく、魔物の脅威からも護ると伝承されています。パエンドールの女神と呼ばれる初代大聖女様と同じ能力なのです……」
初代大聖女様と同じ……!?
「私達は皆待っていた! 真の聖女の誕生を!」
神官長様が声を張り上げると、一斉に神官達が泣き始める。
「パエンドールの女神様が降臨されたのだ……」
「あ、あぁ、奇跡だ……」
「今の時代に生まれて良かった……」
恍惚とした表情で皆に見られ鳥肌が立った。
こ、怖いんですけど……。なんかすごい期待されているし……。