落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
35 夢が醒めるのは突然に(1)
バルコニーに出てくると、夜会の熱気で火照った身体を夜風が冷やしてくれる。
シャーロット様は黙ったまま、バルコニーの欄干に手を掛けて星空を見上げた。間が持たなくて、私はちびちびと果実水を飲んで気を紛らわす。
彼女は大きく息を吸い込むと、こちらを真っ直ぐ向いた。
「あの、アイリス……、いいえ、……アイリス様。数々のご無礼をお許しください。いえ、決して許されることではないのは承知してますが、ずっと謝罪したかったのですわ。本当に……申し訳ありませんでした」
そう言ってシャーロット様は私に向かって頭を下げる。
「え、え、シャーロット様!?」
どういうこと!?
私は突然のことに動揺してしまう。
「私は今まで、あなたを平民だからと蔑視していました。あなたの行動も、力のない者が見苦しいとさえ思っていたのですわ。ですが、あなたの神聖魔法や覚醒を目の当たりにして、聖女としての格の違いを見せつけられました。それは魔力だけではなく、心の違いですわ。その慈愛に満ちた心……。私は初めて、今までの自身の行いを恥じたのです」
「シャーロット様……」
「もう遅いかもしれませんが、これから行動で示していきます。――聖女アイリス様、私、シャーロット・ケーシーはあなた様を支えていくと誓いますわ」
彼女の碧い瞳には強い意志が宿っていた。
そんなふうに思ってくれていたなんて嬉しくて、胸が温かくなる。
「シャーロット様……。嬉しいです。私はまだ聖女としてはひよっこなので、シャーロット様が協力してくだされば心強いです!」
私が笑いかけると、シャーロット様はふいっと顔を背ける。心なしか顔が赤い。
シャーロット様は黙ったまま、バルコニーの欄干に手を掛けて星空を見上げた。間が持たなくて、私はちびちびと果実水を飲んで気を紛らわす。
彼女は大きく息を吸い込むと、こちらを真っ直ぐ向いた。
「あの、アイリス……、いいえ、……アイリス様。数々のご無礼をお許しください。いえ、決して許されることではないのは承知してますが、ずっと謝罪したかったのですわ。本当に……申し訳ありませんでした」
そう言ってシャーロット様は私に向かって頭を下げる。
「え、え、シャーロット様!?」
どういうこと!?
私は突然のことに動揺してしまう。
「私は今まで、あなたを平民だからと蔑視していました。あなたの行動も、力のない者が見苦しいとさえ思っていたのですわ。ですが、あなたの神聖魔法や覚醒を目の当たりにして、聖女としての格の違いを見せつけられました。それは魔力だけではなく、心の違いですわ。その慈愛に満ちた心……。私は初めて、今までの自身の行いを恥じたのです」
「シャーロット様……」
「もう遅いかもしれませんが、これから行動で示していきます。――聖女アイリス様、私、シャーロット・ケーシーはあなた様を支えていくと誓いますわ」
彼女の碧い瞳には強い意志が宿っていた。
そんなふうに思ってくれていたなんて嬉しくて、胸が温かくなる。
「シャーロット様……。嬉しいです。私はまだ聖女としてはひよっこなので、シャーロット様が協力してくだされば心強いです!」
私が笑いかけると、シャーロット様はふいっと顔を背ける。心なしか顔が赤い。