落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
7 聖女達の帰還
騎士団の魔物討伐部隊に同行していた大聖女様達が無事帰還された。私は帰還した聖女の一人に声をかける。
「フェリシティ様、お務めお疲れ様でした」
「アイリス、あなたも留守中大変だったでしょう? ありがとう、ご苦労さま」
聖女フェリシティ様は柔和な微笑みを浮かべて、労いの言葉をかけてくれた。輝く銀髪に澄んだ紫の瞳で、上品で清廉な空気を纏った方だ。
彼女は私が見習い聖女になった時から、教育係をしてくれている。
伯爵家の出身で、とても回復魔法に長けていて次期大聖女候補として名高い。二十一歳で独身だが、昔婚約が破談になったという。今も独身でいるのは元婚約者を思っているからだと噂で聞いたことがある。
こんな素敵なフェリシティ様がずっと思っている元婚約者様って、どんな方なんだろう?
「私が留守の間、ちゃんと魔法の訓練はしていましたか?」
「はい。頑張っていたのですが、その、なかなか思うようには……」
私は組んだ指先をもじもじ動かした。
「ふふっ、そうなのね。じゃあ後で見てあげるわ」
「はい! ありがとうございます!」
神殿にある〈魔法訓練の間〉は、魔法に強い防壁で囲われていて、ここで見習い聖女達は魔法の訓練をする。
聖魔石と呼ばれる、腰の高さほどの表面はツルツルと綺麗に磨かれている透明の大きな丸い石がある。
そこに魔力を注ぐと、石は魔力を吸収した量だけ輝くのだ。
聖女になる為の条件として、聖魔石全体を光らせるほどの魔力が必要だった。
私は聖魔石に両手のひらを付け、ゆっくりと魔力を注ぎ込んだ。どんどん力が吸い取られていくにつれ、石の下の方が白く輝きはじめる。
「ぐ……、んん……。はぁ、はぁ……」
「フェリシティ様、お務めお疲れ様でした」
「アイリス、あなたも留守中大変だったでしょう? ありがとう、ご苦労さま」
聖女フェリシティ様は柔和な微笑みを浮かべて、労いの言葉をかけてくれた。輝く銀髪に澄んだ紫の瞳で、上品で清廉な空気を纏った方だ。
彼女は私が見習い聖女になった時から、教育係をしてくれている。
伯爵家の出身で、とても回復魔法に長けていて次期大聖女候補として名高い。二十一歳で独身だが、昔婚約が破談になったという。今も独身でいるのは元婚約者を思っているからだと噂で聞いたことがある。
こんな素敵なフェリシティ様がずっと思っている元婚約者様って、どんな方なんだろう?
「私が留守の間、ちゃんと魔法の訓練はしていましたか?」
「はい。頑張っていたのですが、その、なかなか思うようには……」
私は組んだ指先をもじもじ動かした。
「ふふっ、そうなのね。じゃあ後で見てあげるわ」
「はい! ありがとうございます!」
神殿にある〈魔法訓練の間〉は、魔法に強い防壁で囲われていて、ここで見習い聖女達は魔法の訓練をする。
聖魔石と呼ばれる、腰の高さほどの表面はツルツルと綺麗に磨かれている透明の大きな丸い石がある。
そこに魔力を注ぐと、石は魔力を吸収した量だけ輝くのだ。
聖女になる為の条件として、聖魔石全体を光らせるほどの魔力が必要だった。
私は聖魔石に両手のひらを付け、ゆっくりと魔力を注ぎ込んだ。どんどん力が吸い取られていくにつれ、石の下の方が白く輝きはじめる。
「ぐ……、んん……。はぁ、はぁ……」