落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
8 初めての護衛依頼(1)
私は魔伝言鳩を片手に悩んでいた。
市場に向かおうと裏門に来てから、かなりの時間が経過している。
「あ〜、どうしよう。やっぱり迷惑よね。でも一人で市場にいる所を見つかったら、怒られちゃうだろうし」
ライオネル様に護衛依頼の魔伝言鳩を送ろうと試みるが、やっぱりやめるというのを繰り返していた。
「でも、いいって言われたし、大丈夫よね? ――よし、やるぞ」
私はやっと腹をくくった。
魔伝言鳩を使うのは初めてだが、魔道具の使い方は一般教養として一通り勉強してある。
目を閉じて魔伝言鳩を口元に持って来て、送りたい相手、ライオネル様を頭の中でイメージして……。
「アイリスです。これから市場に行きます。お忙しいと思いますが、護衛をお願いできますか? 神殿の裏門で待ってます。よろしくお願いします」
私は小声で呟きながら、持っている魔伝言鳩に向かってペコペコと頭を下げた。誰も見てないからいいけど、かなり不審な行動に違いない。
私が言い終わると紙の鳩は仄かに光り、立体の白鳩に姿を変える。そしてパタパタと翼を羽ばたかせて飛び立ち、空中でスッと姿を消した。
「あ、行っちゃった」
魔伝言鳩を見送った後になって、急に後悔の念が湧き上がってくる。
来てくれるかな? 仕事中に送ったりして迷惑だったんじゃないの。そもそも、こんな平民の見習い聖女の私が副団長様を呼び出すなんて、おこがましいにもほどがあるわ。やっぱり出すんじゃなかった……。
ぐるぐると悪い思考が止まらなくなった。
市場に向かおうと裏門に来てから、かなりの時間が経過している。
「あ〜、どうしよう。やっぱり迷惑よね。でも一人で市場にいる所を見つかったら、怒られちゃうだろうし」
ライオネル様に護衛依頼の魔伝言鳩を送ろうと試みるが、やっぱりやめるというのを繰り返していた。
「でも、いいって言われたし、大丈夫よね? ――よし、やるぞ」
私はやっと腹をくくった。
魔伝言鳩を使うのは初めてだが、魔道具の使い方は一般教養として一通り勉強してある。
目を閉じて魔伝言鳩を口元に持って来て、送りたい相手、ライオネル様を頭の中でイメージして……。
「アイリスです。これから市場に行きます。お忙しいと思いますが、護衛をお願いできますか? 神殿の裏門で待ってます。よろしくお願いします」
私は小声で呟きながら、持っている魔伝言鳩に向かってペコペコと頭を下げた。誰も見てないからいいけど、かなり不審な行動に違いない。
私が言い終わると紙の鳩は仄かに光り、立体の白鳩に姿を変える。そしてパタパタと翼を羽ばたかせて飛び立ち、空中でスッと姿を消した。
「あ、行っちゃった」
魔伝言鳩を見送った後になって、急に後悔の念が湧き上がってくる。
来てくれるかな? 仕事中に送ったりして迷惑だったんじゃないの。そもそも、こんな平民の見習い聖女の私が副団長様を呼び出すなんて、おこがましいにもほどがあるわ。やっぱり出すんじゃなかった……。
ぐるぐると悪い思考が止まらなくなった。