落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
19 王立魔術師団研究所(2)
ひつぎ――? なんで? 棺って、亡くなった人を納める箱よね? そこに入れってことは、つまり……?
「わ、私は死ぬんですか!?」
私がパニックになりそう聞くと、
「違う」
「違うって〜」
二人にツッコまれた。なんだ、そっか……、良かった。安心して息を吐いた。
「アンディ、ちゃんと最初から説明しろ」
「あ、あはは、ごめ〜ん。先走っちゃったね〜」
ライオネル様に睨まれたアンディさんが頭の後ろを掻いた。
「コホン。気を取り直して。今日、アイリスちゃんに来てもらったのは、君の魔力の性質を調べる為なんだよ。ライオネルから君の回復魔法は他聖女達と相違してるらしいと聞いて、だったら直接魔力を調べたらいいと思ったんだ〜」
「直接、調べる……?」
「そんなことが出来るのか?」
ライオネル様も驚いて身を乗り出した。
「うん、出来るよ。こっち来て〜」
アンディさんが立ち上がって歩いていったので、言われた通りに付いて行く。
「これこれ。じゃ〜ん、棺で〜す!」
これはさっきチラッと見てしまった棺だ。研究室の壁際に横たえてある棺は、ダークブラウンの木製のもので、特に装飾は施してないシンプルなものだった。蓋の真ん中には魔法陣が描かれていた。
もしかして、これも魔道具なのかしら……?
「棺って言ってもそう呼んでるだけで、本当の棺じゃないよ〜。これは身体の隅々まで調べられる魔道具なんだ。聖魔石も聖属性の魔力に反応するけど、この棺はもっと細かな事が分かるんだ。魔力の属性、性質、魔力量、身長体重から、体調不良や病気の原因とかもね」
「身長体重……」
そう呟いて私はアンディさんの方を横目で見ると、少しずつ距離を置く。
「あ、アイリスちゃん。そんな嫌そうな顔して逃げないで〜。大丈夫、魔力しか調べないからね!」
「わ、私は死ぬんですか!?」
私がパニックになりそう聞くと、
「違う」
「違うって〜」
二人にツッコまれた。なんだ、そっか……、良かった。安心して息を吐いた。
「アンディ、ちゃんと最初から説明しろ」
「あ、あはは、ごめ〜ん。先走っちゃったね〜」
ライオネル様に睨まれたアンディさんが頭の後ろを掻いた。
「コホン。気を取り直して。今日、アイリスちゃんに来てもらったのは、君の魔力の性質を調べる為なんだよ。ライオネルから君の回復魔法は他聖女達と相違してるらしいと聞いて、だったら直接魔力を調べたらいいと思ったんだ〜」
「直接、調べる……?」
「そんなことが出来るのか?」
ライオネル様も驚いて身を乗り出した。
「うん、出来るよ。こっち来て〜」
アンディさんが立ち上がって歩いていったので、言われた通りに付いて行く。
「これこれ。じゃ〜ん、棺で〜す!」
これはさっきチラッと見てしまった棺だ。研究室の壁際に横たえてある棺は、ダークブラウンの木製のもので、特に装飾は施してないシンプルなものだった。蓋の真ん中には魔法陣が描かれていた。
もしかして、これも魔道具なのかしら……?
「棺って言ってもそう呼んでるだけで、本当の棺じゃないよ〜。これは身体の隅々まで調べられる魔道具なんだ。聖魔石も聖属性の魔力に反応するけど、この棺はもっと細かな事が分かるんだ。魔力の属性、性質、魔力量、身長体重から、体調不良や病気の原因とかもね」
「身長体重……」
そう呟いて私はアンディさんの方を横目で見ると、少しずつ距離を置く。
「あ、アイリスちゃん。そんな嫌そうな顔して逃げないで〜。大丈夫、魔力しか調べないからね!」