赤いフードの偽物姫と黒いフードの人外陛下〜敗戦したので売国しに乗り込んだら、何故か溺愛生活始まりました〜
40.人外陛下と恋煩い。
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パラパラと書類をめくり、ふっと綺麗に微笑んだグレースは、
「女の友情って本当に儚いわぁ」
困ったものね、とクスクスと笑いながら2枚の写真に火をつける。
写真にはリンジー侯爵家の令嬢ドロシーとホープ侯爵家の令嬢アルカがそれぞれ映っていた。
「これで2名脱落、ね」
満足げに口角を上げたグレイスは、ダーツの矢を投げる。
それは真っ直ぐ飛んでトスっと綺麗に的に刺さった。
「……思った以上に邪魔ね、あの女」
ほぅっと憂いを帯びた視線の先にあるのはズタズタに引き裂かれたイザベラの肖像画。
「何が暴君王女よ」
見栄を張るしか能がないくせに、と吐き捨てたグレイスは、
「せいぜい、今のうちに楽しんでおくといいわ。この国の本当の支配者が誰なのか、はっきりと教えてあげるから」
さて、次のゲームをはじめましょうか? と嗤う。
そんな彼女が握りしめた手の中には、オゥルディ帝国の皇帝が持つ特別製のカフスが握られていた。
パラパラと書類をめくり、ふっと綺麗に微笑んだグレースは、
「女の友情って本当に儚いわぁ」
困ったものね、とクスクスと笑いながら2枚の写真に火をつける。
写真にはリンジー侯爵家の令嬢ドロシーとホープ侯爵家の令嬢アルカがそれぞれ映っていた。
「これで2名脱落、ね」
満足げに口角を上げたグレイスは、ダーツの矢を投げる。
それは真っ直ぐ飛んでトスっと綺麗に的に刺さった。
「……思った以上に邪魔ね、あの女」
ほぅっと憂いを帯びた視線の先にあるのはズタズタに引き裂かれたイザベラの肖像画。
「何が暴君王女よ」
見栄を張るしか能がないくせに、と吐き捨てたグレイスは、
「せいぜい、今のうちに楽しんでおくといいわ。この国の本当の支配者が誰なのか、はっきりと教えてあげるから」
さて、次のゲームをはじめましょうか? と嗤う。
そんな彼女が握りしめた手の中には、オゥルディ帝国の皇帝が持つ特別製のカフスが握られていた。