マリオネット

最終話

 人生、もうどうだっていいやって思っていた時に現れてくれた、私の救世主。
 その救世主もいろんな過去を抱えていた人だった。
 あの日、死にたくないと心から願って――。
 もう一度神様が、やり直しをさせてくれるチャンスを与えてくれたのかなって思ってる。
 そして私に、彼を救ってあげなさいと言ってくれたような気がする。



 しばらくして、右京家のお父さんとお母さんのお墓参りに行った。
 本当の両親については彼もわからないみたいだった。

「調べたらわかるんだろうけど、もう必要ないから」
 悲しそうな表情一つしないで、凪はそう言った。

 その後、私の両親にも会ってもらった。
 凪に会った時のお母さんのテンションが高すぎだった。

「まぁ!こんなイケメンが陽菜乃なんかの彼氏でいいの!?」
 私は苦笑いを浮かべるしかなかった。


「ただいま!」
 仕事から帰宅をすると
「おかえり!」
 そう答えてくれる大好きな人がいる。

 もう少し貯金をして生活に余裕ができたら、今よりも広い部屋に引っ越しをして、凪との新たな暮らしを送ろうと思ってる。

「陽菜乃さん!明日はアルバイトがお休みだから、新作の料理に挑戦しようと思ってるんだ。楽しみにしていて!」

「うん!」

 たわいもない会話がとても幸せだと感じる。
 ずっとずっとこんな毎日が続きますようにーー。
 柄でもないけど、そんなことを祈ってしまうんだ。



<終わり>
< 186 / 186 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

囚われの聖女は俺様騎士団長に寵愛される
煉彩/著

総文字数/32,428

ファンタジー28ページ

表紙を見る
秘書の想いは隠しきれない
煉彩/著

総文字数/31,799

恋愛(オフィスラブ)15ページ

第4回ベリーズ文庫デビュー応援コンテストエントリー中
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop