ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
3
「錦」
名前を呼ばれただけでピクンと肩が揺れる。この間の余韻がまだ身体のどこかに残っているみたいだ。
「カフェオレ飲まない?無糖と間違えて買っちゃってさ」
正宗は無糖のカフェオレと、砂糖入りのカフェオレのスチール缶を握っていた。
ラベルが似ている上に、ボタンの位置も隣同士で間違えてしまったのだろう。
「折角なのでいただきます」
美織はカフェオレをありがたくもらった。ちょうど、頼まれていた調べ物がひと段落したところだ。
「あのさ。今週末、ひまわり畑を見に行かない?」
「ひまわり畑?」
「ちょっと遠いんだけど、こことかどう?」
正宗はプライベートのスマホを操作し、画面を見せてくれた。
「うわあ、綺麗……」
画面いっぱいに映るひまわりに感嘆の声を上げる。
「今がちょうど見頃らしい」
「いいなあ……。行ってみたいかも」
そう言いつつスマホを返すと、正宗はポケットにしまった。