マロプリ!!〜マジカルロジカルプリンセス〜
蝶の秘密
「もしかしたら、あのロボットは蝶と同じように蜜、つまり宝石が好きなのかも」
「なるほどらに、って、マナちゃん! ロボットがマナちゃんの方に向かってきたらに!!」
えー、なんでわたしを襲うんだろう。わたしって宝石なんて身に着けていないよね。他にキラキラしているものなんていっぱいあるのに。わたしが持っているものに反応しているのかしら。
虫型ロボットはわたしの鞄から鉛筆をつかむと大事そうに抱えて運び始めている。え、えんぴつ!?
「なんで鉛筆なんだろう? 飴玉なら美味しいし宝石みたいにキラキラしているのに。キラキラしているものならなんでもってわけじゃないみたい」
「ふたりはダイヤモンドがなにから出来ているのか知らないんだね」
「そんなの考えたこともないらに」
「ダイヤモンドっていうのは、炭素っていうとっても小さな原子からできているのさ。ちなみに炭素でできた同じものといえば鉛筆の芯だね。ノートに文字を書く真っ黒なもの」
優海さんって博学。
「でも不思議。キレイで硬い宝石になったり、真っ黒でやわらかい芯になったり。それに鉛筆ならわたしのおこづかいでも買えるけれど、ダイヤモンドなんてとても買えないもの」
この時、わたしってばピカーンって、ひらめいちゃったんだ!
⭐︎ロボットが集めているものはなんだろう。パズルを解いてみよう⭐︎
「わかった! 論理的に考えて、ロボットは炭素を集めているってことなんじゃないかな。興味深いわ!!」
「なんで敵に感心しているらに?」
「あ、いや、応用したら街のゴミ拾いとかに利用できるかなって! 新しい技術を考えるとわくわくするじゃない」
「なるほどね。愛花ちゃんの発想は面白いね。推理もエクセレントだ」
「えへへ、それほどでもないよ。悪いのはロボットじゃない。それを使う人間のこころなんだよ。使い方次第ってこと。人のものを盗むなんて許せない。それも大事な婚約指輪だなんて! 大問題よ!」
宝石店の周りには警察官が大勢いて、とてもじゃないけれど入れない。
「山路(やまじ)警部! このままじゃどんどん宝石が盗まれちゃいますよ! 発砲の許可をください!」
口髭を生やした大柄な警部さんとその部下の細身の男性が宝石店の前で口論をしていた。
「発砲はいかん。なんとしても捕まえるんだ。それに、あれだけ素早く飛び交う相手を拳銃で命中させられると思うか?」
そう言われると全身を覆うような盾を構えた若い警官は肩をすくめた。
「ロボットの相手なんて警察のマニュアルにないのですが……」
「わたし、この宝石店がなんで狙われたのかわかるわ。きっと、全部コンピューターに任せているんでしょう」
「その通りだ。なんでわかったんだい?」
「あのロボットは炭素に反応しているんでしょう。でも、そこまで複雑なロボットでもないみたい。わたしの鉛筆を間違えて持っていっちゃうんだもの。だから、きっとこのお店は、鉛筆のようなものがないところなのかなって思ったの」
推理はしたものの、すっきりはしない。だって、悪さをしている犯人を捕まえられないんだもの。
「ロボットに宝石を運ばせてどこかで回収する、なんていうのは想像もしていなかった……」
「なるほどらに、って、マナちゃん! ロボットがマナちゃんの方に向かってきたらに!!」
えー、なんでわたしを襲うんだろう。わたしって宝石なんて身に着けていないよね。他にキラキラしているものなんていっぱいあるのに。わたしが持っているものに反応しているのかしら。
虫型ロボットはわたしの鞄から鉛筆をつかむと大事そうに抱えて運び始めている。え、えんぴつ!?
「なんで鉛筆なんだろう? 飴玉なら美味しいし宝石みたいにキラキラしているのに。キラキラしているものならなんでもってわけじゃないみたい」
「ふたりはダイヤモンドがなにから出来ているのか知らないんだね」
「そんなの考えたこともないらに」
「ダイヤモンドっていうのは、炭素っていうとっても小さな原子からできているのさ。ちなみに炭素でできた同じものといえば鉛筆の芯だね。ノートに文字を書く真っ黒なもの」
優海さんって博学。
「でも不思議。キレイで硬い宝石になったり、真っ黒でやわらかい芯になったり。それに鉛筆ならわたしのおこづかいでも買えるけれど、ダイヤモンドなんてとても買えないもの」
この時、わたしってばピカーンって、ひらめいちゃったんだ!
⭐︎ロボットが集めているものはなんだろう。パズルを解いてみよう⭐︎
「わかった! 論理的に考えて、ロボットは炭素を集めているってことなんじゃないかな。興味深いわ!!」
「なんで敵に感心しているらに?」
「あ、いや、応用したら街のゴミ拾いとかに利用できるかなって! 新しい技術を考えるとわくわくするじゃない」
「なるほどね。愛花ちゃんの発想は面白いね。推理もエクセレントだ」
「えへへ、それほどでもないよ。悪いのはロボットじゃない。それを使う人間のこころなんだよ。使い方次第ってこと。人のものを盗むなんて許せない。それも大事な婚約指輪だなんて! 大問題よ!」
宝石店の周りには警察官が大勢いて、とてもじゃないけれど入れない。
「山路(やまじ)警部! このままじゃどんどん宝石が盗まれちゃいますよ! 発砲の許可をください!」
口髭を生やした大柄な警部さんとその部下の細身の男性が宝石店の前で口論をしていた。
「発砲はいかん。なんとしても捕まえるんだ。それに、あれだけ素早く飛び交う相手を拳銃で命中させられると思うか?」
そう言われると全身を覆うような盾を構えた若い警官は肩をすくめた。
「ロボットの相手なんて警察のマニュアルにないのですが……」
「わたし、この宝石店がなんで狙われたのかわかるわ。きっと、全部コンピューターに任せているんでしょう」
「その通りだ。なんでわかったんだい?」
「あのロボットは炭素に反応しているんでしょう。でも、そこまで複雑なロボットでもないみたい。わたしの鉛筆を間違えて持っていっちゃうんだもの。だから、きっとこのお店は、鉛筆のようなものがないところなのかなって思ったの」
推理はしたものの、すっきりはしない。だって、悪さをしている犯人を捕まえられないんだもの。
「ロボットに宝石を運ばせてどこかで回収する、なんていうのは想像もしていなかった……」