マロプリ!!〜マジカルロジカルプリンセス〜

校庭でのフィールドワーク

「どうするらに? ここじゃあ、怒られちゃうらに」
 らにちゃんはいつの間にかわたしの肩に乗っている。ここがらにちゃんのお気に入りの場所。なんでか、よくわたしの肩に乗るの。わたしも小さなのころはよくおんぶしてってパパやママにおねだりしていたけれど、らにちゃんもそうなのかもね。
「フィールドワークしましょうよ」
「ふぃーるどわーく?」
「外で調査するって意味」
「おお、なんか楽しそうらに! フィールドワークしようらに!」

⭐︎めいろを解いて校庭を探検しよう⭐︎

 らにちゃんをそっと撫でて、わたしは足取りも軽やかに、校庭の隅にあるアスレチック広場へと向かった。こういう時にわたしの地味なファッションは便利。汚れを気にせず気ままに遊べる、いや、調査できるもの。着替えだってお家に帰ればいっぱいあるしさ。
「楽しそうな場所らに! マナちゃん遊んでらにっ!」
 アスレチック広場というのは、砂場にジャングルジム、シーソー、登り棒、それに滑り台からブランコまで、いろんな遊具が置いてある校庭にある広場のこと。子供に危険ということで公園に行ってもなんにも遊具が置いてないことが多いのに、こんな広場のある学校は珍しいってパパは言っていた。
「だめよ、今日はフィールドワークのお仕事なんだから」
「お仕事だなんて、なんだかマナちゃんのパパみたいなことを言うらにね」
 わたしのパパは先生で、いろんな動物を研究しているんだ。
「うーん、なかなか見つからないわね」
 きっとここなら何かあるかなと期待していたのだけれど……。
「マナちゃん、これからどうするらに?」
「ふっふっふ、だいじょうぶ! ひらめいちゃった! 幽霊なら見つけられないけれどロボットなら見つける方法があるの!」
 わたしがランドセルから取り出したのは磁石。磁石には鉄を引き寄せる力がある。つまり、機械なら磁石にくっついちゃうというわけ。
「どう? 磁石でロボットをつかまえようってアイデア。論理的に考えてイケてる作戦でしょ」
「うーん、でも、その磁石、小さすぎてダメなんじゃないからに?」
「あ、そうか。それもそうだよね。でも、そうとなると方法がないわね……」
 わたしったら何を言っているんだろう。普段ならこんなミスはしないのに。
「マナちゃんはおっちょこちょいらに」
 そんな時、ちょうど下校のチャイムがスピーカーから流れてきたの。
「時間切れか。結局、全ての謎は解き明かせなかったな……」
「また明日調べればいいらに」
 らにちゃんと話をしていると小さな女の子がいつの間にか砂場に立っているのが視界に入った。さっきまであんな女の子いたかしら。
< 4 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop