エナはマーメイドの仕立屋さん~はじめてのお仕事はプリンセスのドレス~
⑩
貝殻を見つけにいくときにおばあちゃんからもらった地図にはお城の場所も描かれていました。
だから、エナはお城に泳いでいくことができました。
「わぁ、大きい……」
大きくてきれいな真っ白なお城です。
でも、たいへんなのはここからです。
プリンセスであるナナにどうやって会うか。
「あの、すみません、こちら、プリンセスからお願いされていたドレスなんですけど……」
試しにお城の門のところにいって、お城を守っている騎士に声をかけてみました。
ドレスをひろげて見せます。
「ドレス? そんなの知らないよ。ここは通せない」
2人いた騎士はどちらも厳しい顔をして首を横に振りました。
エナは子供だし、ナナから直接頼まれたお願いなので、騎士たちは知らないのかもしれません。
「はぁ……」
エナは深く溜息を吐きました。
このままではナナに会うことができません。
「クク……」
レクシーが心配そうにエナのまわりをまわります。
「なにか方法を考えないとね」
レクシーと近くの岩に座って上を見上げて考えます。
水面に太陽の光がキラキラしていてきれいです。
少し、視線を下げてお城を見ます。
お城の窓にはへんな人が入ってこないようにすべてサンゴの柵がついています。
「直接会えなくても、あの柵ごしにナナとお話して、ドレスを渡すことができるかも?」
「クク」
エナは思いついて、レクシーと一緒にこっそりお城に泳いで近付きました。
騎士たちは気が付いていないみたいです。
「でも、どこがナナのお部屋だろう? きっと上のほうだよね?」
ナナはずっと国民に知らされないほど大切に育てられてきました。
だから、エナはナナの部屋が見晴らしのいい上のほうにあると考えたのです。
【※ここにナナの部屋を見つけるゲームを入れます。部屋にはそれぞれ番号が書いてあって、ナナ=7なので7の部屋がナナの部屋です】
「よし、きっと、あそこだ」
エナはレクシーとお城の塔の一番上の部屋に向かいました。
「ナナ、わたしよ、エナ。部屋にいる?」
部屋の窓には柵だけでなく、海藻でできたカーテンがついていました。
それのせいで中が上手く見えません。
ゆらゆらと揺れる海藻の間からエナは中に声をかけました。
「エナ?」
ナナの小さな声が聞こえました。
どうやらエナはナナの部屋を当てることができたようです。
「そうだよ、ナナ」
「エナ!」
エナが答えるとナナは勢い良く海藻のカーテンを開けました。
ナナは少し寂しそうで、それでもエナに会えてうれしいという顔をしていました。
「ナナ、これ約束のドレス」
完成したドレスをひろげてエナはナナに見せました。
海の水の中でレースのスカートがやわらかく揺れます。
胸元の貝殻はきらりと輝いています。
「わぁ、とてもきれいね。エナ、約束守ってくれてありがとう」
ナナは泣きそうな顔をしました。
エナに会えたこともうれしかったですが、きれいなドレスに感動したのです。
「ナナ、パーティーのスピーチがんばってね。わたしもレクシーも応援してるから」
そう言って、エナはナナにドレスを渡しました。
その手をナナが引き止めます。
「エナ、わたし、自信がないの。ちゃんとこの国の人魚たちに受け入れてもらえるか……」
ナナはプリンセスとして人前に出ることははじめてです。
いままでお城から出たことも数えるくらいしかありません。
明日のスピーチのことで心が押しつぶされそうになっていたのです。
「ナナ、大丈夫。わたしもレクシーもおばあちゃんもナナの味方よ? それにわたしのつくったドレスもある。明日はわたしもパーティーにいくから」
「約束よ?」
「うん、約束」
エナはナナとまた指切りをしました。
だから、エナはお城に泳いでいくことができました。
「わぁ、大きい……」
大きくてきれいな真っ白なお城です。
でも、たいへんなのはここからです。
プリンセスであるナナにどうやって会うか。
「あの、すみません、こちら、プリンセスからお願いされていたドレスなんですけど……」
試しにお城の門のところにいって、お城を守っている騎士に声をかけてみました。
ドレスをひろげて見せます。
「ドレス? そんなの知らないよ。ここは通せない」
2人いた騎士はどちらも厳しい顔をして首を横に振りました。
エナは子供だし、ナナから直接頼まれたお願いなので、騎士たちは知らないのかもしれません。
「はぁ……」
エナは深く溜息を吐きました。
このままではナナに会うことができません。
「クク……」
レクシーが心配そうにエナのまわりをまわります。
「なにか方法を考えないとね」
レクシーと近くの岩に座って上を見上げて考えます。
水面に太陽の光がキラキラしていてきれいです。
少し、視線を下げてお城を見ます。
お城の窓にはへんな人が入ってこないようにすべてサンゴの柵がついています。
「直接会えなくても、あの柵ごしにナナとお話して、ドレスを渡すことができるかも?」
「クク」
エナは思いついて、レクシーと一緒にこっそりお城に泳いで近付きました。
騎士たちは気が付いていないみたいです。
「でも、どこがナナのお部屋だろう? きっと上のほうだよね?」
ナナはずっと国民に知らされないほど大切に育てられてきました。
だから、エナはナナの部屋が見晴らしのいい上のほうにあると考えたのです。
【※ここにナナの部屋を見つけるゲームを入れます。部屋にはそれぞれ番号が書いてあって、ナナ=7なので7の部屋がナナの部屋です】
「よし、きっと、あそこだ」
エナはレクシーとお城の塔の一番上の部屋に向かいました。
「ナナ、わたしよ、エナ。部屋にいる?」
部屋の窓には柵だけでなく、海藻でできたカーテンがついていました。
それのせいで中が上手く見えません。
ゆらゆらと揺れる海藻の間からエナは中に声をかけました。
「エナ?」
ナナの小さな声が聞こえました。
どうやらエナはナナの部屋を当てることができたようです。
「そうだよ、ナナ」
「エナ!」
エナが答えるとナナは勢い良く海藻のカーテンを開けました。
ナナは少し寂しそうで、それでもエナに会えてうれしいという顔をしていました。
「ナナ、これ約束のドレス」
完成したドレスをひろげてエナはナナに見せました。
海の水の中でレースのスカートがやわらかく揺れます。
胸元の貝殻はきらりと輝いています。
「わぁ、とてもきれいね。エナ、約束守ってくれてありがとう」
ナナは泣きそうな顔をしました。
エナに会えたこともうれしかったですが、きれいなドレスに感動したのです。
「ナナ、パーティーのスピーチがんばってね。わたしもレクシーも応援してるから」
そう言って、エナはナナにドレスを渡しました。
その手をナナが引き止めます。
「エナ、わたし、自信がないの。ちゃんとこの国の人魚たちに受け入れてもらえるか……」
ナナはプリンセスとして人前に出ることははじめてです。
いままでお城から出たことも数えるくらいしかありません。
明日のスピーチのことで心が押しつぶされそうになっていたのです。
「ナナ、大丈夫。わたしもレクシーもおばあちゃんもナナの味方よ? それにわたしのつくったドレスもある。明日はわたしもパーティーにいくから」
「約束よ?」
「うん、約束」
エナはナナとまた指切りをしました。