エナはマーメイドの仕立屋さん~はじめてのお仕事はプリンセスのドレス~
②
おばあちゃんについて行くと、そこには一つの沈んだ船がありました。
木でできている少し大きな船です。
その船は海に沈んでいるのにボロボロになっていませんでした。
まるで沈んだまま時が止まっているみたいです。
「エナ、いらっしゃい」
おばあちゃんが船の扉を開けて、エナをよびました。
ドキドキしながらエナは船の中に入りました。
「わぁ……」
エナの口から思わず、声が出ます。
なぜなら、船の中にお洋服の仕立て屋さんがあったからです。
お洋服を飾るためのトルソーというカラダのお人形みたいなものにきれいな黄色のドレスが飾られています。
チクチクお洋服をつくるための作業台もあります。
「もしかして、ここ、おばあちゃんのお店?」
「そうだよ、エナ」
「すごい!」
エナはびっくり。
おばあちゃんがときどき姿を消すのは人魚になって海の中の仕立屋さんにいたからだったのです。
これでおばあちゃんが海を愛している理由も分かりました。
エナが海を好きなのも、おばあちゃんの故郷が海だからかもしれません。
「エナが10歳になったから、ここのお店も手伝ってもらおうかなと思って」
「うん! もちろん! わたし、やるよ!」
ニコニコ顔のおばあちゃんに言われて、エナのむねはワクワクでいっぱいです。
海辺のお店もすてきですが、海の中のお店もとてもすてきでした。
海の中とは思えないくらい明るいのです。
エナはお店の中を見てまわりたい気持ちになりました。
でも、そんなとき、お店の奥のほうからガタンという音がしました。
「おばあちゃん、なんか、お店の奥から音がしたよ?」
「ああ、紹介しないとね」
びくびくするエナと違って、おばあちゃんは音の正体を知っているみたいです。
うれしそうな顔で奥の扉を開けました。
すると、ぴゅーっと飛び出すようになにかが出てきました。
「わわわっ」
エナのまわりをくるくるまわるそれにエナはびっくりしました。
よく見てみると、それは小さなウミガメでした。
くりくりのお目々がとてもかわいらしいです。
「この子は?」
くるくるまわっているウミガメを抱っこして、エナはおばあちゃんに聞きました。
「ウミガメの子供のレクシーだよ。この前、群れからはぐれてしまったのを助けたんだ」
どうやらレクシーはひとりぼっちのウミガメだったようです。
レクシーはするするとエナにほほずりをしました。
「レクシーはエナが気に入ったみたいだね。仲良くしてね」
「レクシー、わたし、エナ、よろしくね」
おばあちゃんに言われて、握手するようにレクシーの前ヒレをエナが握ります。
すると、レクシーはうれしそうに「クク」と鳴きました。
エナもレクシーのことを気に入りました。
「さ、お客さんがくるから準備をしましょう」
そう言って、おばあちゃんはエナにお店の中を案内してくれました。
木でできている少し大きな船です。
その船は海に沈んでいるのにボロボロになっていませんでした。
まるで沈んだまま時が止まっているみたいです。
「エナ、いらっしゃい」
おばあちゃんが船の扉を開けて、エナをよびました。
ドキドキしながらエナは船の中に入りました。
「わぁ……」
エナの口から思わず、声が出ます。
なぜなら、船の中にお洋服の仕立て屋さんがあったからです。
お洋服を飾るためのトルソーというカラダのお人形みたいなものにきれいな黄色のドレスが飾られています。
チクチクお洋服をつくるための作業台もあります。
「もしかして、ここ、おばあちゃんのお店?」
「そうだよ、エナ」
「すごい!」
エナはびっくり。
おばあちゃんがときどき姿を消すのは人魚になって海の中の仕立屋さんにいたからだったのです。
これでおばあちゃんが海を愛している理由も分かりました。
エナが海を好きなのも、おばあちゃんの故郷が海だからかもしれません。
「エナが10歳になったから、ここのお店も手伝ってもらおうかなと思って」
「うん! もちろん! わたし、やるよ!」
ニコニコ顔のおばあちゃんに言われて、エナのむねはワクワクでいっぱいです。
海辺のお店もすてきですが、海の中のお店もとてもすてきでした。
海の中とは思えないくらい明るいのです。
エナはお店の中を見てまわりたい気持ちになりました。
でも、そんなとき、お店の奥のほうからガタンという音がしました。
「おばあちゃん、なんか、お店の奥から音がしたよ?」
「ああ、紹介しないとね」
びくびくするエナと違って、おばあちゃんは音の正体を知っているみたいです。
うれしそうな顔で奥の扉を開けました。
すると、ぴゅーっと飛び出すようになにかが出てきました。
「わわわっ」
エナのまわりをくるくるまわるそれにエナはびっくりしました。
よく見てみると、それは小さなウミガメでした。
くりくりのお目々がとてもかわいらしいです。
「この子は?」
くるくるまわっているウミガメを抱っこして、エナはおばあちゃんに聞きました。
「ウミガメの子供のレクシーだよ。この前、群れからはぐれてしまったのを助けたんだ」
どうやらレクシーはひとりぼっちのウミガメだったようです。
レクシーはするするとエナにほほずりをしました。
「レクシーはエナが気に入ったみたいだね。仲良くしてね」
「レクシー、わたし、エナ、よろしくね」
おばあちゃんに言われて、握手するようにレクシーの前ヒレをエナが握ります。
すると、レクシーはうれしそうに「クク」と鳴きました。
エナもレクシーのことを気に入りました。
「さ、お客さんがくるから準備をしましょう」
そう言って、おばあちゃんはエナにお店の中を案内してくれました。