エナはマーメイドの仕立屋さん~はじめてのお仕事はプリンセスのドレス~
③
トントン
お店の中を見て、しばらくおばあちゃんとお話をしていたときでした。
船のとびらをノックする音が聞こえました。
お客さんがきたみたいです。
「はいはい」
おばあちゃんはそう言って、とびらを開けました。
そこにはエナと同い年くらいの人魚の女の子がいました。
つややかな水色の尾びれをしたかわいらしい子です。
そして、金色の長い髪がとてもきれいです。
「こ、こんにちは」
女の子は少し緊張した様子でエナとおばあちゃんに言いました。
「こんにちは、いらっしゃい」
おばあちゃんはいつもお客さんにニコニコと笑って言います。
「いらっしゃいませ」
エナもニコッと笑って女の子に言いました。
同じ年の子がいるだけで女の子の緊張は少しほぐれたようでした。
「あの、王城のパーティーで着るドレスがほしくて……」
そろそろと女の子は今回のお仕事の内容を話しはじめました。
「ああ、一週間後に王城で開かれるパーティーね。なんでも10歳になられるプリンセスのはじめてのお披露目会だとか」
「え、ええ、そうです」
おばあちゃんのお話によると、この王国のプリンセスはそれは大事に大事に育てられていて、名前も姿も国民に知らされたことがないのだそうです。
エナはプリンセスのことをイメージしてみました。
(キラキラして、それでキリッとしてるんだろうな……)
自分よりしっかりとした女の子をプリンセスとして想像しました。
エナもパーティーに行きたくなりました。
いますぐレクシーと踊り出しそうです。
「分かったわ。そのご注文お受けします」
「お願いします」
エナが踊り出しそうなのをがまんしている間にさらっとおばあちゃんはお仕事を決めてしまいました。
女の子もほっとした様子です。
「エナ、さっそく手伝ってくれる?」
「うん。でも、おばあちゃん、わたし、なにをすればいい?」
まさか、こんなにも早くお手伝いをするお仕事が決まるとは思っていなくて、エナはどぎまぎしました。
「お客さんはエナと年が近そうだから、あなたが彼女のドレスの布を選んであげて」
「わたしが?」
おばあちゃんがびっくりすることを言うので、エナは目をまるくしました。
「わたしでいいんですか?」
思わず、エナがお客さんの女の子にたずねてしまいます。
「ええ、とてもうれしいわ」
経験のあるおばあちゃんじゃないと嫌だと言われると思ったのに、女の子はほんとうにうれしそうに言いました。
「ありがとうございます」
ペコっとエナは女の子に頭を下げました。
そんなエナの手を女の子が取ります。
「わたしたち、同い年くらいでしょう? もっと楽に話して。わたし、ナナ」
ナナの瞳はきれいな青色でした。
「う、うん、ありがとう。わたし、エナ」
照れながらエナも自分の名前を言います。
「わたしたちって名前が少し似てるのね」
「そうみたい」
二人は名前が似ていることがうれしくて、ふふっと笑い合いました。
ナナとは仲良くなれそうです。
「このすぐ先に海の市場があるから、そこで布を選んであげて」
おばあちゃんに言われてエナはナナと買い出しに行くことになりました。
レクシーも一緒です。
海の市場はどんな場所なのでしょうか。
お店の中を見て、しばらくおばあちゃんとお話をしていたときでした。
船のとびらをノックする音が聞こえました。
お客さんがきたみたいです。
「はいはい」
おばあちゃんはそう言って、とびらを開けました。
そこにはエナと同い年くらいの人魚の女の子がいました。
つややかな水色の尾びれをしたかわいらしい子です。
そして、金色の長い髪がとてもきれいです。
「こ、こんにちは」
女の子は少し緊張した様子でエナとおばあちゃんに言いました。
「こんにちは、いらっしゃい」
おばあちゃんはいつもお客さんにニコニコと笑って言います。
「いらっしゃいませ」
エナもニコッと笑って女の子に言いました。
同じ年の子がいるだけで女の子の緊張は少しほぐれたようでした。
「あの、王城のパーティーで着るドレスがほしくて……」
そろそろと女の子は今回のお仕事の内容を話しはじめました。
「ああ、一週間後に王城で開かれるパーティーね。なんでも10歳になられるプリンセスのはじめてのお披露目会だとか」
「え、ええ、そうです」
おばあちゃんのお話によると、この王国のプリンセスはそれは大事に大事に育てられていて、名前も姿も国民に知らされたことがないのだそうです。
エナはプリンセスのことをイメージしてみました。
(キラキラして、それでキリッとしてるんだろうな……)
自分よりしっかりとした女の子をプリンセスとして想像しました。
エナもパーティーに行きたくなりました。
いますぐレクシーと踊り出しそうです。
「分かったわ。そのご注文お受けします」
「お願いします」
エナが踊り出しそうなのをがまんしている間にさらっとおばあちゃんはお仕事を決めてしまいました。
女の子もほっとした様子です。
「エナ、さっそく手伝ってくれる?」
「うん。でも、おばあちゃん、わたし、なにをすればいい?」
まさか、こんなにも早くお手伝いをするお仕事が決まるとは思っていなくて、エナはどぎまぎしました。
「お客さんはエナと年が近そうだから、あなたが彼女のドレスの布を選んであげて」
「わたしが?」
おばあちゃんがびっくりすることを言うので、エナは目をまるくしました。
「わたしでいいんですか?」
思わず、エナがお客さんの女の子にたずねてしまいます。
「ええ、とてもうれしいわ」
経験のあるおばあちゃんじゃないと嫌だと言われると思ったのに、女の子はほんとうにうれしそうに言いました。
「ありがとうございます」
ペコっとエナは女の子に頭を下げました。
そんなエナの手を女の子が取ります。
「わたしたち、同い年くらいでしょう? もっと楽に話して。わたし、ナナ」
ナナの瞳はきれいな青色でした。
「う、うん、ありがとう。わたし、エナ」
照れながらエナも自分の名前を言います。
「わたしたちって名前が少し似てるのね」
「そうみたい」
二人は名前が似ていることがうれしくて、ふふっと笑い合いました。
ナナとは仲良くなれそうです。
「このすぐ先に海の市場があるから、そこで布を選んであげて」
おばあちゃんに言われてエナはナナと買い出しに行くことになりました。
レクシーも一緒です。
海の市場はどんな場所なのでしょうか。