エナはマーメイドの仕立屋さん~はじめてのお仕事はプリンセスのドレス~
⑦
1着のドレスをつくること、それは簡単なことではありませんでした。
次の日も、エナはおばあちゃんと人魚になって海の仕立屋さんでドレスの制作を進めました。
海の中でつくられた布は海の中でしか使えません。
だから、ミシンのない海の中でチクチク手縫い。
時間がかかるのです。
「おばあちゃん、そっちはどう?」
チクチク布を縫っている間におばあちゃんに声をかけます。
おばあちゃんも別のお客さんのドレスをつくっているのです。
パーティーは一週間後、いろいろなお客さんから注文が入っています。
「まだまだ終わりそうにないよ」
おばあちゃんも大忙し。
エナのほうを手伝ってくれる余裕はなさそうです。
「レクシー、ピンクの糸を取ってくれる?」
「ククッ」
レクシーも小さな身体で手伝ってくれています。
糸巻きから糸をくわえて取ってきてくれるのです。
「ありがとう。パールのひもはすぐできたのに、このスカートのフリルがなかなかできないの」
エナはふぅっと息を吐きながらレクシーに言いました。
レクシーもたいへんなのはわかっているのでしょう、がんばって、と言うようにエナにほほずりをしました。
くりくりのお目々が今日もとてもかわいらしいです。
「ふふ、レクシーは優しいね。がんばらなきゃね」
レクシーのおかげで、とてもやる気がでてきました。
エナは気合いを入れて、チクチクと手縫いを進めていきます。
水色とピンク色がきれいに合わさるようにバランスよく。
プリンセスらしく、誰よりも輝くように。
そして、途中でほつれないように、ていねいにていねいに。
パーティーに間に合うように、急いで急いで。
海から出てもエナはドレスのことをずーっと考えていました。
「最近、やけにおばあちゃんのところにいってるね」
とか
「ぼーっとしてるけど、大丈夫?」
とか、パパとママに言われることもありました。
でも、人魚になれることはエナとおばあちゃん、2人の秘密。
エナは「お手伝いが楽しいだけだよ」と言って、誤魔化しました。
1日1日はどんどん過ぎていきます。
朝起きて、ごはんを食べて、すぐにおばあちゃんのところにいって、海へ。
時間を忘れるほどに、チクチク、チクチク。
おばあちゃんも集中して、チクチク、チクチク。
時計はぐるぐる、カレンダーに書いたバツ印は増えていきました。
「できたー!」
ドレスができたのはお城で開かれるパーティーの前日でした。
エナは自分用のトルソーにできあがったドレスを着せて、まじまじと見ました。
ふんわりと優しくひろがるレースのスカートが、海の中でゆれてきれいです。
さて、でも、まだやることがあります。
最後の仕上げ、勇気の出る魔法をかけなければなりません。
「おばあちゃん、胸元に付ける貝殻はどうしたらいい?」
エナはレクシーを抱っこして、おばあちゃんにたずねました。
おばあちゃんは作業をしていた手を止めて、「ああ、たいへん!」と言いました。
どうやら、忙しくて忘れていたようです。
「貝殻は取りにいく特別な場所があるんだ。でも、おばあちゃんはいま手が離せないから、エナ、レクシーといってきてくれる?」
そう言って、おばあちゃんはエナに地図を渡しました。
人魚になってから海の中を探索するのは市場にいったきりです。
ちゃんとおばあちゃんに言われた場所にたどりつけるか心配です。
「レクシー、そばにいてね?」
はぐれないように抱っこして、エナはレクシーと目的の場所を目指しました。
おばあちゃんがくれた地図には海藻の森、と書かれています。
いってみると、本当に大きな海藻の迷路のような森がありました。
目的の場所に行くにはここを抜ける必要があるようです。
「よし、いこう」
エナはすいっと海藻の隙間を泳ぎはじめました。
【※ここで海藻の迷路のゲームを入れます】
次の日も、エナはおばあちゃんと人魚になって海の仕立屋さんでドレスの制作を進めました。
海の中でつくられた布は海の中でしか使えません。
だから、ミシンのない海の中でチクチク手縫い。
時間がかかるのです。
「おばあちゃん、そっちはどう?」
チクチク布を縫っている間におばあちゃんに声をかけます。
おばあちゃんも別のお客さんのドレスをつくっているのです。
パーティーは一週間後、いろいろなお客さんから注文が入っています。
「まだまだ終わりそうにないよ」
おばあちゃんも大忙し。
エナのほうを手伝ってくれる余裕はなさそうです。
「レクシー、ピンクの糸を取ってくれる?」
「ククッ」
レクシーも小さな身体で手伝ってくれています。
糸巻きから糸をくわえて取ってきてくれるのです。
「ありがとう。パールのひもはすぐできたのに、このスカートのフリルがなかなかできないの」
エナはふぅっと息を吐きながらレクシーに言いました。
レクシーもたいへんなのはわかっているのでしょう、がんばって、と言うようにエナにほほずりをしました。
くりくりのお目々が今日もとてもかわいらしいです。
「ふふ、レクシーは優しいね。がんばらなきゃね」
レクシーのおかげで、とてもやる気がでてきました。
エナは気合いを入れて、チクチクと手縫いを進めていきます。
水色とピンク色がきれいに合わさるようにバランスよく。
プリンセスらしく、誰よりも輝くように。
そして、途中でほつれないように、ていねいにていねいに。
パーティーに間に合うように、急いで急いで。
海から出てもエナはドレスのことをずーっと考えていました。
「最近、やけにおばあちゃんのところにいってるね」
とか
「ぼーっとしてるけど、大丈夫?」
とか、パパとママに言われることもありました。
でも、人魚になれることはエナとおばあちゃん、2人の秘密。
エナは「お手伝いが楽しいだけだよ」と言って、誤魔化しました。
1日1日はどんどん過ぎていきます。
朝起きて、ごはんを食べて、すぐにおばあちゃんのところにいって、海へ。
時間を忘れるほどに、チクチク、チクチク。
おばあちゃんも集中して、チクチク、チクチク。
時計はぐるぐる、カレンダーに書いたバツ印は増えていきました。
「できたー!」
ドレスができたのはお城で開かれるパーティーの前日でした。
エナは自分用のトルソーにできあがったドレスを着せて、まじまじと見ました。
ふんわりと優しくひろがるレースのスカートが、海の中でゆれてきれいです。
さて、でも、まだやることがあります。
最後の仕上げ、勇気の出る魔法をかけなければなりません。
「おばあちゃん、胸元に付ける貝殻はどうしたらいい?」
エナはレクシーを抱っこして、おばあちゃんにたずねました。
おばあちゃんは作業をしていた手を止めて、「ああ、たいへん!」と言いました。
どうやら、忙しくて忘れていたようです。
「貝殻は取りにいく特別な場所があるんだ。でも、おばあちゃんはいま手が離せないから、エナ、レクシーといってきてくれる?」
そう言って、おばあちゃんはエナに地図を渡しました。
人魚になってから海の中を探索するのは市場にいったきりです。
ちゃんとおばあちゃんに言われた場所にたどりつけるか心配です。
「レクシー、そばにいてね?」
はぐれないように抱っこして、エナはレクシーと目的の場所を目指しました。
おばあちゃんがくれた地図には海藻の森、と書かれています。
いってみると、本当に大きな海藻の迷路のような森がありました。
目的の場所に行くにはここを抜ける必要があるようです。
「よし、いこう」
エナはすいっと海藻の隙間を泳ぎはじめました。
【※ここで海藻の迷路のゲームを入れます】