社長、社内恋愛は禁止のはずですが

第3章 孤立

翌朝――ふと目を覚ますと、私はソファーに横になっていた。

「……社長?」

前方に目をやり、思わず息をのむ。

なんと、床に毛布を敷いて寝ている高峰社長の姿があった。

「えっ、社長!」

慌てて駆け寄り、肩を揺する。

「ん……?」

眠たげに目を擦りながら、彼は私を見上げた。

「おはよ。」

「おはようございます。」

体を起こした社長は、痛ててと肩を摩りながら苦笑する。

「すみません。私がソファーで寝てしまったから……」

申し訳なさそうに言うと、社長はふっと笑みを浮かべた。

「いいんだよ。」

その声が、驚くほど優しくて胸が高鳴る。

昨夜のことを思い出す。あの言葉、あの視線――期待してしまう。

すると社長が、不意に少し照れたように呟いた。

「……ベッドに連れて行こうかなと思ったんだけど、さすがにね。」
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