Secret love.
Prologue
「川﨑さーん、精算お願いしてもいいですか。」
川﨑さん、は私の名前だ。川﨑かわさき 優花ゆうか。今年で29歳になる28歳で、この会社の経理として勤めて7年目に入ったばかり。
声を掛けてきた方を見ると、同期の及川おいかわ 歩あゆむくんだった。黒髪で爽やかな印象を周りに与え、頼りになる営業部のエースだと周りに言われている。そんな人が同期で頼みやすいからか、何かある度にわざわざ私の方に寄ってきて、こんな風に声を掛けてくるのだ。経理の人間は別に私だけではないのに、毎度。
「はい。何の精算ですか?」
領収書と経費精算書を受け取り中身を確認していると「交通費。」と答えている。出張も移動も多い営業で交通費で精算が来るのは別に何も変ではない。間違いが無い事を確認すると一度裏に下がり、払い戻す分のお金を取って封筒に入れ、それを及川くんに渡す。
「お待たせしました。」
「全然待ってないですよ。いつも仕事早くて助かる。」
そう会話をして封筒を受け取ったはずなのに及川くんは何故かこの場から去ろうとしない。首を傾げて及川くんの顔を見ると、微笑んできて私に少し身体を近付けて2人にしか聞こえない位の声量で話しだす。
川﨑さん、は私の名前だ。川﨑かわさき 優花ゆうか。今年で29歳になる28歳で、この会社の経理として勤めて7年目に入ったばかり。
声を掛けてきた方を見ると、同期の及川おいかわ 歩あゆむくんだった。黒髪で爽やかな印象を周りに与え、頼りになる営業部のエースだと周りに言われている。そんな人が同期で頼みやすいからか、何かある度にわざわざ私の方に寄ってきて、こんな風に声を掛けてくるのだ。経理の人間は別に私だけではないのに、毎度。
「はい。何の精算ですか?」
領収書と経費精算書を受け取り中身を確認していると「交通費。」と答えている。出張も移動も多い営業で交通費で精算が来るのは別に何も変ではない。間違いが無い事を確認すると一度裏に下がり、払い戻す分のお金を取って封筒に入れ、それを及川くんに渡す。
「お待たせしました。」
「全然待ってないですよ。いつも仕事早くて助かる。」
そう会話をして封筒を受け取ったはずなのに及川くんは何故かこの場から去ろうとしない。首を傾げて及川くんの顔を見ると、微笑んできて私に少し身体を近付けて2人にしか聞こえない位の声量で話しだす。
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