Secret love.
Episode10
何も周りの会話に集中できないまま、経理課の飲み会が開かれた。
今私の視線はスマホの方で、及川くんから連絡は来ていない。代わりに来ていたのは自分の母と、大学の同期からの連絡だった。
母は年末帰省するのかどうかの確認と、大学の同期と言うのはグループメッセージで年末に集まらないかとの話だった。今でも仲良かった8人で年1回は集まるから、その誘いだろうけど今はとても行く気になれなくて、断ってしまおうかと思っていた。
今急いで返事を出さなくても良いかとスマホの画面を消して、目の前にある自分のグラスを掴む。
「…まだ仲直りしてないんすか。」
「してない。出来なかった。」
その問いにそう返すと、太一は苦笑いしている。
冷静になれば腹が立ってきた。疑われるのは私と太一の関係性ではない、及川くんと姫野さんの方だと思う。
私達は無駄に触れ合ったりもしてないし、それなりの距離を保って話している。1度触れられたという意味ではあの社員旅行が初めてだ。
でもそれも太一は優しさで支えて来てくれて、あらぬ疑いを掛けられるようなものではない。
「…太一私の事好きじゃないよね?」
「何自惚れてんすか。先輩と言えど殴りますよ。」
流石に太一でも好きな子に殴りますよとか言わない。顔が明らかに嫌そうな表情をしていてそれだけで私を好きではないと語っている。
今私の視線はスマホの方で、及川くんから連絡は来ていない。代わりに来ていたのは自分の母と、大学の同期からの連絡だった。
母は年末帰省するのかどうかの確認と、大学の同期と言うのはグループメッセージで年末に集まらないかとの話だった。今でも仲良かった8人で年1回は集まるから、その誘いだろうけど今はとても行く気になれなくて、断ってしまおうかと思っていた。
今急いで返事を出さなくても良いかとスマホの画面を消して、目の前にある自分のグラスを掴む。
「…まだ仲直りしてないんすか。」
「してない。出来なかった。」
その問いにそう返すと、太一は苦笑いしている。
冷静になれば腹が立ってきた。疑われるのは私と太一の関係性ではない、及川くんと姫野さんの方だと思う。
私達は無駄に触れ合ったりもしてないし、それなりの距離を保って話している。1度触れられたという意味ではあの社員旅行が初めてだ。
でもそれも太一は優しさで支えて来てくれて、あらぬ疑いを掛けられるようなものではない。
「…太一私の事好きじゃないよね?」
「何自惚れてんすか。先輩と言えど殴りますよ。」
流石に太一でも好きな子に殴りますよとか言わない。顔が明らかに嫌そうな表情をしていてそれだけで私を好きではないと語っている。