Secret love.
Episode11
及川くんの考えがあると言う発言から2週間程経過した。

今日は夜に大学の同期会があって、それには私も及川くんも参加する予定だけれど、当然交際はまだ隠しているから別々に向かった。

個室の居酒屋に着くと大学時代の同期に温かく出迎えられ、その中にまだ及川くんはいなかった。


「あれ?及川は?」
「優花同じ会社じゃなかったっけ?」


そう問い掛けられ「少し遅くなるんだって。」と自然に返事をした。直接話したわけでは無いけど伝えておいてと連絡が来ていた。

その及川くんが何で遅くなるのかは聞いていないし、知らない。


「というか、及川も優花も相変わらず何も無いの?」

「え?何で?無いよ~」


及川くんと私が疑われるのは不思議な話じゃない。数か月前に及川くんから大学の同期は、及川くんが私に気があるのを知っていたと話していたから。

当時付き合ったことを話せば揶揄われるのを知っていたし、私がそういうのは望まないだろうからと思って、交際を隠していたと話していた。

結婚する事を決まっているはずなのに、今も隠している理由は分からないけれど…。

そうこう話している間にも飲み会は始まって、最近の仕事の状況や家庭を持っている人の話などで場は盛り上がる。

正直結婚もして子供も生まれている同期の話を羨ましいと思った。結婚式を見ている時はいつか自分達もと及川くんとの事を夢見たりもしたけれど、今はこの間の喧嘩もあってポジティブには考えられていない。
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