Secret love.
Episode3
「…あの光景見るの何回目なんだろ。」

「…営業部って多いわよね。その手のお誘い。特に28になると結婚意識するから特に。」

「だからって合コン！？信じらんない！」


というのも先程昼休憩中実季と会社の自動販売機で飲み物を買いに来たら、及川くんが先輩に肩を組まれていた。その時話していた内容が合コンに今日こそは参加しろと先輩が及川くんに迫っていた。

及川くんは「まじで今恋愛したくないんですよね～」と苦笑いしながら断っているけれど、今日はそんな調子で逃がしてもらえなさそうな雰囲気だった。

社内にも敵が多いのに、合コンなんていってロックオンされたら困る。

及川くんが私に気付いて目が合うと、突然笑みをこちらに向けて「川﨑さんは、合コンどう思う？良い出会いあると思う？」なんて聞いてきたのだ。

この男、こんな現場でも私の事を揶揄って来て、実季は隣で苦笑いしていた。


「…知らないです。及川くんがあると思うなら行けばいいんじゃないでしょうか。」

「え～、冷たいな。先輩、川﨑さんくらい可愛い子います？」

「顔知らないんだから知るか！」

「乗り気しないんですけど～。」


こういう時に可愛いとか言われても全く嬉しくはない。

そう思いながら自動販売機で飲み物を購入していると実季が耳打ちしてきて「顔緩んでるよ」と言われハッとした。

そんなやりとりもあって、私は照れ隠しと本心から先程の合コンの事を怒っていた。
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