Secret love.
Episode7
早朝に目を覚まし、体を起こして隣で眠る及川くんを見る。

当然眠っていて、このまま見ていたいし、一緒に朝を迎えたかったのだけど、周りが活動的になる前に自分の部屋に戻る方が今は良いと判断した。

及川くんの頬に軽く口付けをして、身なりを整えてから部屋にあるメモに手を伸ばす。


«周りに見られる前に部屋に戻るね。今日家で一緒にお土産開けるの楽しみだね。»


それだけ書き残して、絶対気付く様に及川くんのスマホの下に置いて行く。

そっとドアを開けて廊下に誰も居ない事を確認して、それから誰にも見つかることなく部屋に戻る。部屋に戻っても中には誰も居なくて、実季はどこに…?と考えたけど、考えるだけ野暮だと思った。

きっと朝倉さんの所だろうし、連絡するのも控えようと綺麗なままの布団の上に寝転がる。そして思い出すのは及川くんとの昨夜の事で、嫉妬が爆発した時の及川くん凄かったな…なんて思い出して思わず頬が熱くなった。

1人でこんなことを思い出して私は痴女か…!なんてツッコミをして、布団の上で足をバタバタさせる。

あれほど好きだと言われたことも、激しく抱かれたことも無かったから、本当に夢なのではないかと疑ってしまうけど、浴衣の下にはいくつもの痕が残っていて、現実に起きた事だと教えてくれていた。
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