冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
第1章 夜伽の命令
この国の皇子が今、危機に瀕している。
その理由は、この国の皇子であるアルベール皇子が、大人になっても誰一人として彼の夜伽に呼ばれないからだ。
まだ結婚していないアルベール皇子は、真面目なのか、それとも冷たいのか。
恋一つしたこともなく、宴の席で令嬢が媚びを売っても、侍女が視線を投げても、平民の娘が憧れの眼差しを向けても、彼のお目に留まった者はいないのだ。
アルベール皇子も二十歳。
そろそろ女を知る年頃である。
にもかかわらず、彼は誰の手も取らず、誰の唇にも触れたことがない。
「殿下は女嫌いなのだろうか」──宮廷ではそう囁かれ、噂は日に日に大きくなっていた。
だが真実は違う。アルベールは愛なき行為を嫌悪しているだけだった。
義務だからと知らぬ女を抱くことなど、彼にはできなかったのだ。
それでも国にとっては由々しき問題である。
童貞のまま結婚を迎える皇子など、前代未聞。
王家の恥とまで言われ始め、ついに侍女たちの間にも重苦しい空気が漂い始めていた──。
その理由は、この国の皇子であるアルベール皇子が、大人になっても誰一人として彼の夜伽に呼ばれないからだ。
まだ結婚していないアルベール皇子は、真面目なのか、それとも冷たいのか。
恋一つしたこともなく、宴の席で令嬢が媚びを売っても、侍女が視線を投げても、平民の娘が憧れの眼差しを向けても、彼のお目に留まった者はいないのだ。
アルベール皇子も二十歳。
そろそろ女を知る年頃である。
にもかかわらず、彼は誰の手も取らず、誰の唇にも触れたことがない。
「殿下は女嫌いなのだろうか」──宮廷ではそう囁かれ、噂は日に日に大きくなっていた。
だが真実は違う。アルベールは愛なき行為を嫌悪しているだけだった。
義務だからと知らぬ女を抱くことなど、彼にはできなかったのだ。
それでも国にとっては由々しき問題である。
童貞のまま結婚を迎える皇子など、前代未聞。
王家の恥とまで言われ始め、ついに侍女たちの間にも重苦しい空気が漂い始めていた──。
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